京セラコミュニケーションシステム株式会社

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IoTサービスを支えるシステム基盤を Google Cloud で構築

京セラコミュニケーションシステム株式会社様(以下、KCCS)では、エネルギーを中心としたIoTサービス用のPaaSとしてサービス提供を行う IoT Cloud Platform を Google Cloud 上に構築されました。IoT Cloud Platform の概要や、インフラ基盤として Google Cloud を選定されたポイントを、社会システム事業部エネルギークラウド部長 大竹 哲史様(左)、同サービス開発課長 立脇 浩様(右)に伺いました。

IoT Cloud Platform について教えて下さい

私達の所属する社会システム事業部は、エンジニアリング技術とICT技術を組み合わせて、地域活性化、安心安全な街づくりを支援するエネルギーマネジメントソリューション・防災ソリューションを提供しています。
IoT Cloud Platform は、IoTサービス用の PaaS の位置付けです。最初のターゲットとして、エネルギーマネジメントを目的として、蓄電池、太陽光発電、エアコン等の各種機器、各種のセンサーから日々送られてくる大量のデータを受け取り、統合データベースに保存します。集められたデータに対して、イベント検知や予測・分析、データの見える化などの情報の加工を行い、外部の連携サービスから必要な形で取り出せるようになっています。

図:エネルギーを中心としたIoTサービス用のPaaS
例えば、室内温度を見える化して空調制御システムにフィードバックを行ったり、太陽光発電と蓄電池を組み合わせた防災用独立電源のモニタリングなどへの活用が期待できます。

IoT Cloud Platform を Google Cloud 上に構築した理由を教えて下さい

IoT Cloud Platform については、元々クラウド上での構築を考えていて、検証に1年程度を費やしていました。
そんな中、クラウドエースの Google Cloud セミナーや無料ハンズオントレーニングに参加し、Google Cloud を触ってみたところ、使い勝手が良かったので、これだと感じました。
他社クラウドは今までオンプレで使えていたインフラをクラウドで使えるようになったというだけで、インフラを構築する手間の部分は以前と変わらない印象であるのに対し、Google Cloud はGoogle App Engine や BigQuery などインフラ側を意識させないようなサービスが提供されており、元々アプリエンジニアの私からすると、インフラのことを余計に考えなくて済むといったことが、使い勝手が良かったと感じた理由です。
また、IoT Cloud Platform 構築時のテーマとして、インフラの運用コストを限りなくゼロに近づけるために、とにかく自動化をしていく、という点を強く意識していました。その点でも、Google Cloud はREST ful な API が徹底されていて、アプリエンジニア視点からすると、非常に使いやすかったというのもポイントでした。
少し中長期的な視点でも、Google は人工知能や機械学習への取り組みが、他社と比べて数歩先をいっている印象でした。機械学習ライブラリの TensorFlow や、最近充実してきている Cloud Vision API や Natural Language API などは今後ぜひ検証を行って、活用を検討したいと考えています。そういった点で、各種センサーデバイスからデータを集める、というところまでは他社クラウドでも変わらないのですが、その先のデータ活用を考えた時には、Google のほうが将来的な展望に期待ができたのも、IoT Cloud Platform の基盤として Google Cloud を選択した理由です。

エネルギー分野のIoT分析基盤を支えるGoogle Cloud Platform

構築にあたってのポイントを教えて下さい。

Google Cloud を使って IoT Cloud Platform を構築するにあたっては、インフラ基盤として利用するのではなく、アプリ的に利用するということを意識しました。具体的には、機能としてコアな部分は Google Compute Engine (以下、GCE)に構築し、データ分析部分にはアプリケーションとしてBigQueryを使うといったような、Google Cloud の中のサービスの使い分けです。 これは、現時点では Google Cloud が良い、という評価ですが、技術的な進歩の早い世界ですので今後もっと良い他のサービスが出てこない、とも限りませんし、様々な外部要因によってオンプレの選択に戻る、という可能性も全く無いとは言い切れません。そのため、GCEを使うことでいざというときにはすぐに他のクラウドに切り替えられるように Google Cloud に全依存しない設計にしておく、ということです。その一方で、データ分析では BigQuery が圧倒的な価格性能を誇るので、割りきって全面的に利用するような構成になっています。
図:サーバー構成イメージ
図:サーバー構成イメージ
これからも取り扱うデータの増大が見込まれる IoT Cloud Platform ですが、実はサイジングについては、あまり気にしていません。構成的には、役割ごとにサーバーを分けて作っているので、一つのサーバーに負荷が集中する、というような作りにはなっていないからです。一つ一つのインスタンスが一つのプロセスとして扱われるイメージでしょうか。要はコンテナに近い使い方をイメージしているので、将来的にはDockerに切り替えて Google がオープンソースとして公開しているKubernetes の導入も考えています。

Google Cloud を実際に使ってみた感想はいかがでしょうか?

機能面でみると、先ほどのサイジングをあまり気にしなくて良い点や、リージョンまたぎのネットワーク構成が簡単に組めるのが嬉しいポイントですね。データベースのレプリケーションを一個だけUSに置いておく、などが簡単にできます。
また、Cloud Shell はサンプルのスクリプトが出てくるのでとても使いやすく、インフラ構築の自動化にも大いに役立っています。
Google Cloud を使い始めるにあたっては、他社クラウドを使ったことがあったので、知っている機能をマッピングしていくことで使い勝手に困ることはなく、逆にUIなどは洗練されている印象です。また、 Google Cloud 独自の機能もあるので、まだまだ使いこなせてない可能性もありますね。私以外のメンバーへの展開にあたっても、特に教育的なことはしていません。概念さえ分かれば、簡単に使えるようになるはずです。
機能の進化もとても早く、本格的に使いはじめて2-3ヶ月ですが、その期間だけでも色々な新規機能が追加されています。次々に新機能がでるのが面白いところではありますが、その一方、画面キャプチャを含むようなマニュアルは、作ったところですぐに変わってしまうので、作るのを辞めました。代わりに、スクリプトやAPIの叩き方の形でドキュメントを残すようにしたことで、生産性もあがりました。
コスト面も一言のべておくと、分単位の課金は、課金の無駄遣いの意識を高める観点からも弊社にマッチしている印象です。本番環境のインスタンスについてもバッチに必要なときだけ立ち上げるとか、開発環境のインスタンスなどは帰宅前に落として帰るとか、細かいことではありますが、そういうことを意識するようになりました。
また、スペックの無駄遣いを防ぐ、という点からも、インスタンス最適化のアドバイスが出るのは嬉しいですね。

クラウドエースを導入して良かった点を教えて下さい

実は、Google Cloud の利用にあたって、一番困ったのが支払い方法でした。クレジットカードの利用は経理部門の手続きが煩雑なため利用のハードルが高かったのですが、クラウドエースの支払代行を利用できて助かりました。また、今後も IoT Cloud Platform の機能を積極的に拡張していく予定で、スピーディーにサービスの立ち上げを行う必要があるため、クラウドエースのシステム開発サービスの利用も考えています。

最後に一言

今後の展開を教えて下さい

現在のところ、IoT Cloud Platform はエネルギー分野での利用を中心としたサービスとして展開していますが、今後はそれを汎用的なIoTプラットフォームとして、エネルギー以外の分野にも持って行きたいと考えています。
また、今後の大きな方向性としては、Googleが持っている機械学習や人工知能などの技術をサービスに取り込んでいきたいと考えています。IoT Cloud Platform が取り扱う大量のデータから取り出せる情報の質を、機械学習や人工知能の技術を使ってより高度で有意義なものにすることで、IoT Cloud Platform の付加価値も高まり、ひいては社会に貢献できるものと考えています。

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