株式会社mediba

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  • 技術支援・開発
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リアルタイムデータベースを活用したスマホロックスクリーン表示アプリ Google Cloud を活用し、プロ野球の速報をロックスクリーン上に表示するアプリケーションを提供。


株式会社medibaは、KDDIグループの企業としてauスマートパスをはじめとするau関連サービス運営の他、国内外にてカルチャー・ゲーム・子育て等、幅広い分野でスマートフォン向けサービスを展開しています。
今回は、今年7月にベータ版がリリースされたAndroidアプリ「LIVEプロ野球速報」の開発について、インフラストラクチャー部の北田翼氏とグローバル開発部部長の杉本道宣氏にお話を伺いました。要件定義から開発までをわずか2,5カ月という短期間で実現させたのは、開発拠点であるベトナムで活用していた Google Cloud でした。

「LIVEプロ野球速報」に必要不可欠なリアルタイム性を実現

「LIVEプロ野球速報」はAndroid 5.0以上のスマートフォンで、ロックスクリーンにプロ野球の速報を表示するアプリケーション。お気に入りのチームを登録しておけば、そのチームの試合の速報がロックスクリーンに表示されるので、手が離せないときでもチラ見するだけで試合の様子がわかります。
速報データは、提供元が持つ球ごとの詳細なデータを Google Cloud 上のサーバーで取得、配信しています。データは12秒に一度クローリングして反映されています。杉本氏によると、取り込みバッチが稼働してから15秒以内には画面に表示されているとのことです。このリアルタイム性をどう担保するかが企画当初からの課題であり、それを実現するためにFirebase Realtime DatabaseとFirebase Cloud Messagingに着目したそうです。それに加えて開発を担当するViet Link Advertising社のエンジニアに Google Cloud のナレッジがあり、それを生かす形で採用した、という背景もあります。

本アプリを開発したViet Link Advertising社はmediba社も事業運営を行っている会社で、エンジニアは20名弱が在籍。アプリ開発はiOSが2人、Androidが3人という体制。開発自体は4月から始まり、わずか2.5カ月でリリースされており、そのスピード感に驚かされます。
「事前準備の段階でドキュメントのフォーマットや伝え方、コミュニケーションフローの認識合わせを行い、伝わる要件定義書を用意できたことや、速報情報を取得して表示するというシンプルさもあり、検証も含めてこの期間でできました」という杉本氏は、「現地スタッフが Google Cloud に慣れているといっても求めているクオリティーまで持ってこられるかは別の話です、Firebaseで本当にできるのかを検証しながら進めました。 Google Cloud の使い方やログの吐き出し方など、後で詰め直した部分もありますが、要望に対して十分応えてくれました」とコメントしました。

また、「AWSでリアルタイムに表示するためには、自分たちでイベントトリガーを設定しなければなりませんが、 Google Cloud ではFirebase Realtime Databaseを使うことでその作り込みがないというのもメリットですね」と、機能実現に対しての相性の良さもあったということです。

AWSがメインでも柔軟に対応できる Google Cloud

北田氏は、「設計段階からクラウドエース社に入っていただいて助かりました。日本サイドとしては Google Cloud を商用で使用するのは初めてだったので、その心理的な負担などもサポートしていただきました。結果、2.5カ月という速さでアプリを作ることができました」と語りました。
さらに、企業間取引ではまだまだ古い仕組みが残っている点について、クラウドエース社はプロジェクト単位でバックオフィス要件にも柔軟に対応してくれたという。「他のベンダーさんは基本カスタムが多いですね、御社に合わせてやりますだと、スピード感がこちらのスケジュールと合わないことも多かったです。しかしクラウドエース社はある程度パッケージができていて、それに乗るだけだったのもよかったです」(北田氏)。
現在mediba社はAWSをメインで使用しています。杉本氏は「徐々に取り入れていきたいという思いはあります」といい、「あの会社でも、この会社でも使い始めたといった話が聞こえてきて、 Google Cloud がじわじわと伸びているのは感じますね」と、今後 Google Cloud の商用使用についても視野に入れている様子。
「実はAWS上にCI/CD基盤を構築・運用しているのですが、その環境がなんらかの理由で停止してしまった際にはmediba社の開発も止まってしまうため、BCP対策としてミラーリング環境を Google Cloud にも作るという話が進んでいます」とのことで、現在クラウドエース社がコンサルティングに入り、AWS・ Google Cloud 双方を活用したマルチクラウド環境構築の検討を進めているそうです。

ビジネスモデルの確立を目指す「LIVEプロ野球速報」

7月にリリースされてから、速報情報の精度や文言のフィックスなどを行い、サービスのブラッシュアップを行ってきた。
より良いユーザー体験の提供に向け、他にも追加したい機能案が出ている一方、ビジネスモデルとしてはまだまだ形になっていないのが現状。そこは、課題として同時に検討していきたい。と今後に向けての抱負を語り、インタビューを終わりました。

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