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教育関係者必見! G Suite for Educationをわかりやすく解説

こんにちは。クラウドエース編集部です。

新型コロナウイルス感染拡大防止のためのオンライン化の進行は、教育機関でも顕著です。
むしろ、企業よりも大学などの教育機関の方が、オンライン化の波を大きく受けているように見受けられます。
Google では、オンラインでの教育を効率的に行うために、G Suite for Education を提供しています。オンライン授業からグループワーク、レポート提出まで、これさえあれば全て実現可能。しかも無料で提供されるという、驚きのサービスです。

今回は、そんな教育機関向けの G Suite プラン、 G Suite for Education を、現役大学院生でもある筆者が、利用者目線も交えて解説します。

G Suite for Education は教育機関向けの G Suite プラン

G Suite は、 Google のビジネス向けグループウェアサービス。 G Suite for Education では、それを教育機関向けにアレンジしたサービスです。
幼稚園から大学まで、教育機関であれば、申請することで無料で利用できます。

※学習塾などでは利用できません。通常の G Suite を利用すれば使える機能もありますが、G Suite for Educationと価格・機能共に同じプランは存在しないので、必要な機能によってプランを選択する必要があります。

例えば、2020年9月30日までは G Suite Essentials が無料で提供されていますが、このプランで Google Classroom は使えないようです。(2020年7月16日時点の情報)

高度なG Suiteの機能が無料で利用可能

G Suite for Education の最大の利点は、やはり高度な機能が無料で使えることでしょう。

主に使える機能を以下の表にまとめました。

一部機能については弊社の別コラムで詳細を説明しています。詳細を知りたい方は表内のリンクをクリックしてください。

機能 内容
Googleドライブ 容量無制限のクラウドストレージ*
Gmail 独自ドメインでのメール利用
カレンダー 個人・共有カレンダーの作成
Meet オンラインでの音声・ビデオ会議(最大100人)
Chat オンラインでのテキストコミュニケーション
ドキュメント 共同編集可能な書類作成ツール ( Microsoft Office との互換性あり)
スプレッドシート 共同編集可能な表計算ツール (同上)
スライド 共同編集可能なプレゼンテーションツール(同上)
フォーム 共同編集可能なアンケート作成、分析

*ユーザー数4名以下の時は容量1TBに制限されます

これらの機能は、ビジネスプランであれば G Suite Business と同等レベル。 G Suite Business はユーザー当たり1,360円/月かかることを考えると、無料でこのサービスを受けられることがどれだけお得かが分かるでしょう。

筆者は講義や研究で大量のデータを扱ったり、研究の記録を全て保存したりする必要があることから、Googleドライブ の容量が無制限になることは特に価値があると感じています。

もちろん、セキュリティも Google 自慢の強固なものを無料でそのまま利用できます(詳細は弊社こちらの記事をご参照ください)。

サポートも電話・メール・チャットで24時間365日対応しており、困ったときにも安心して相談出来ます。

講義を効率化するサービスも充実

G Suite for Education では、講義の効率化を図るサービスも充実しています。

他の G Suite プランでも提供されている機能もありますが、 G Suite for Education ではよりお得に利用できます。

授業・課題提出をサポートするGoogle Classroom

Google では、オンライン講義を行うためのツールとして、 Google Classroom を提供しています。
Google Classroom は、教師と生徒(学生)間の講義におけるコミュニケーションをサポートするツールです。
教師は講義資料の配布や課題の設定が可能です。生徒は資料をダウンロードして学習、課題を提出し、それを見て教師が採点・コメントすることができます。
教師と生徒の1対1のやりとりだけでなく、教師・生徒ともにクラス全体での情報提供・情報共有も可能です。
いずれも、ログインすればデバイスを問わずに共通で利用できるので、それぞれの作業環境を選びません。
Google Classroom は G Suite for Education ユーザーの他に、通常の G Suite や 、さらに個人の Google アカウントでも利用できます。ただし、 G Suite Essentials では使用できません。
Google Classroom に関する詳細を知りたい方は、弊社のこちらの記事もご覧ください。

すでにLMSがある場合はアサインメントで拡張も可能

教育機関によっては、すでに独自のLMS(Learning Management System / 学習管理システム)があり、Google Classroom を使うと二度手間、という場合もあるでしょう。そのような場合、課題の作成・分析・採点を部分的に効率化する G Suite for Education の機能として、 アサインメント があります。

アサインメント は、それ単体のアプリケーションで利用することも、既存のLMSにツールとして統合することも可能です。

アサインメント は現在ベータ版で、 G Suite for Education (および  G Suite Enterprise for Education )のみで提供されています。

共有できる電子ホワイトボード、Jamboard

Jamboard は、Google が開発した55インチの4K電子ホワイトボードです。その機能を、スマートフォンやタブレットなどの各端末でも利用できるようにしたのがJamboardアプリです。

Jamboardは普通のホワイトボードと同じ感覚で書くことができ、Meetや各自のJamboardアプリを通じてホワイトボードに書いた内容をリアルタイムに共有することが可能です。

端末、アプリ問わず、複数人で同時に接続できるので、教室(や先生の自宅)と生徒たちの自宅をつないだオンライン授業でも、同時に1つのホワイトボードの前で議論しているような気分を味わえます。

Jamboardアプリは G Suite for Education ユーザーの他に、通常の G Suite や 、さらに個人の Google アカウントでも、無料で使うことができます。

Jamboard端末はプランに関わらず、別途有料での導入となります。本体価格は640,000円です。そのうえで通常は保守費用が年額77,000円発生しますが、 G Suite for Education を利用していれば、保守費用は導入時の77,000円のみで、毎年の課金は発生しません。

さらに上位の機能が必要なら、G Suite Enterprise for Education

ここまで見た通り、 G Suite for Education は無料で高度なサービスが受けられます。しかし、さらに上位の機能が欲しいという場合は、 有料ですが、G Suite Enterprise for Education というプランが存在します。 G Suite for Education との主な差は以下の通りです。

Meet ・会議の人数上限が250人に
・10万人までのライブストリーミング対応
・会議の録画が可能
サポート サービススペシャリストによる高度なサポート*
セキュリティ より高度な管理・セキュリティ

* G Suite Enterprise for Education のライセンスが200以上ある場合のみ利用可能

G Suite Enterprise for Education は有料だが、ビジネスプランと比べればはるかにお得

G Suite Enterprise for Education の価格は日本円では公開されていませんが、1ユーザー当たり4ドル/月*とされています。日本円だと400~500円/月です。
同等のビジネスプラン、 G Suite Enterprise は1ユーザー当たり3000円/月であることを考えると、有料とはいえ破格のサービスといえるでしょう。

また、2020年7月31日までに契約した場合、教員は半額の1人当たり2ドル/月*、学生に関しては無料となります。期間は短いですが(執筆は2020年7月16日)、よりお得に利用するチャンスです!

また、 G Suite Enterprise for Education は、必ずしも組織全体で導入する必要はなく、「基本は G Suite for Education 、一部のみ G Suite Enterprise for Education 」という設定も可能です。

例えば、講義を録画する必要のある先生のみ Enterprise にする、などが考えられます。

*公式には年額で提示されていますが、比較を分かりやすくするため月額換算で表記しています。

G Suite for Education で、効率的な双方向教育を

G Suite for Education は、高機能な G Suite のサービスが無料で受けられ、教育に特化した機能も充実していることが分かりました。

Google Meet と Jamboard を用いたオンライン授業。グループワークでは Meet を学生同士で利用しながら、Google ドライブ で ドキュメント を共同編集したり、ファイルをアップロードしたりしてアイデアを共有。課題は Google Classroom を用いて効率的に提出、採点、フィードバック。集会や職員会議などもオンラインで実現可能です。

繰り返しますが、 G Suite for Education は無料です。オンライン化の必要な昨今はもちろん、新型コロナウイルスの影響がなくなった後でも、効率的な教育活動のために使える点も多いと思います。これを機に、 G Suite for Education の導入を是非ご検討ください!

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