Google Cloud のMSPとして挑戦する2020年 〜吉積礼敏の正直力 Vol.1〜

Vol.1 Google Cloud のMSPとして挑戦する2020年
2019年は、グローバルでのアワード受賞や MSP 認定など、Google からの評価としても飛躍の年となりました。この数年を Google Cloud と共に成長してきたクラウドエースですが、日本市場における Google Cloud の真価が問われるのはまだまだこれからであり、当社の目指す未来はもっと先にあります。今回は、MSP として2020年をどのような年にすべきか、現在の状況と意気込みをお話ししたいと思います。

MSP として期待を背負いたい

世界20社を調べてみると、クラウドエースは最小社員数で認定を受けています。これは規模が小さいじゃないかと言われるかも知れないですが、それよりも、Google に特化して専門的にやっているからこそ、この人数で認定を受けることができたということになります。MSP に認定をされている会社は、現在のところ日本の企業としては弊社だけです。

MSP の審査自体は非常に厳しく、かなり専門的な知識やノウハウ、体制が求められる形になっています。もともと当然出来ている部分もありましたが、Google から求められている部分に関しては、足りない部分を含めてしっかり対応しなければならない部分もありました。

審査の中で、網羅的なケイパビリティチェックをしてもらえたことで、我々自身の体制の強化もでき、ルールや体制の整備を通じて、高度で安心感のあるサービス提供をできる礎になったのではないかと感じています。

今後は、Google のパートナーの中でも差別化されて、お客様にもより知っていただけるようになるのではないかと期待しています。実質的に力がつく結果にもなり、自信を持ってサービス提供できるようになったと思います。元々、Google Cloud に関してはなんでも任せてくださいと言ってきましたが、さらに自信を持ってよりできるようになったと思います。

MSP とは

MSP というのは、マネージドサービスプロバイダの略称です。マネージドサービスプロバイダは、Google以外の他のクラウドの会社においても定義されており、技術力や実績など、顧客のシステムやサービスを預かる上で信頼のおける、ケイパビリティが高いランクのサービスプロバイダーだという認定です。当社は Google から認定を受け、同じように Google のMSPは世界に20社くらいあります。

プレミアパートナーになった時も弊社が日本国内第1号で、1年半経ち、MSP にも認定され、相変わらず日本のトップを走っているんだなと、世界トップクラスのサービス提供が出来ているというのが改めて証明できたかなと思います。

これまでの SI とは違う、反応良くレスポンスできる企業として、クラウドならではのアジャイルな開発とか、大手企業のような承認フローが何段階もあるような会社とは違うスピーディーな動きが出来ていると思います。

実績、企業規模だけを大きな会社と比べると、見劣りするかもしれないですが、MSP認定をもらえたことで、エンタープライズに対しても自信を持てることが証明できたのではないかと思ってます。これを機に、エンタープライズに対しても訴求できるようにしたいです。

Google Cloud 自体も、これまではどちらかというと、データ分析系でしょ、それ以外は別に、みたいにと思われていたところもあるとおもうんですが、実際はそれを支えていた Google Compute Engine っていう基盤があり、Iaas の性能やコストパフォーマンス、高速なネットワーク、分散ディスクなど、非常に強力です。「AWS や Azure しかないよね」と思われていたベースになる技術も、Google Cloud に移行できる、そして MSP 認定を受けた弊社がサポートできるということで、これからどんどん訴求できると思います。

これからはより規模も大きくしていきたいし、Google よりもサポート、サービスがいいというのを狙っていきたいので、次のステップとしてはそこかなと思います。
営業面の融通だったり、SI も含めた顧客へのトータルサービスは Google ができてない部分で、我々のサービスがお客様にも好評でしたが、よりシステムインテグレーションの現場を知っているということをもっと強みにして、サポートをより充実させていきたいです。Google よりも現場に寄り添っていたり、先回りした提案とか、周辺のサービスとか、もっと柔軟性を持って、個別のリージョンごとにニーズをキャッチしてローカライズして、使いやすいサービスを提供するというところを目指したいです。それが Google のパートナー企業としての使命だとも思います。

そして、規模的には、アジャイルでクイックに開発できるところをお任せいただいていたが、最近はエンタープライズからもご相談いただけるようになったので、しっかり要望に応えていき、クラウドを広めていくためにも、幅広く対応できるような会社だと認識していただきたいと思います。

信頼性という意味では、上場を目指して、景色が変わってくれることを期待しています。お客様からの信頼という意味でも変わってくるかなと思ってますね。
今は概ね思われたいイメージをお客様に持ってもらえていると思いますが、まだ上はあると思います。国内ではさらに規模拡大、海外にももっと展開していきたいと思ってます。

あとは、Google が提供している AI のパワーをもっと一般に広めていけるように、すぐに使える状態に持っていくことをミッションにしてやって行きたいと思っているので、Googleとエンドユーザの間にあるラストワンマイルを我々でやっていかなきゃいけないというのがこれからの課題です。

MSP とは軸は違うが、目指すべきところが Google のパワーを使いやすくお客様に届けるということで、顧客ごとにカスタマイズしながら安心して運用していけるという点で、マネージドサービスプロバイダとして、Google の AI のいいところを、もっと使いやすくするためのサービスを提供し、ラストワンマイルを育てていくという感じですね。

ここまでの道のり

日本国内では先頭で走り続けてきたかなと思いますが、サービスとして始めたのは2014年からで、クラウドエース事業を始めた頃は、まだ世界でこの仕事をやっているのは3社くらいしかいないという時代でした。
日本はライバルがいないからナンバーワンだし、でもお客様もほとんどいません、みたいな状態から分社化したのが2016年の11月。その時点で手応えは感じていて、最初の1年は全然ダメだったんだけど、2年ちょっと経ってから芽が出始めていた時期でした。
その時点でもNo.1だし、そこからすぐプレミアパートナーにもなりました。
分社化した当時は6人から始まって、3倍で成長してきました。このスピードで伸びてたら、流石に世界のトップでしょくらいのレベルでやってたつもりだけども、海外はやっぱすごい会社がやり始めているので、規模ではまだ勝てていませんが、集約されている密度の濃いメンバーでやっているのは、相当な体制でできているかなと思います。
分社化したがゆえに、専業でこれしかやってませんっていう会社を作ったからうまくできたのかなと。今年の Google Cloud Next 19 San Francisco では、グローバルで Application Development のアワードを受賞したり、スペシャライゼーションの8個取得や MSP など、結果に結びついてきているかなと思います。

この急速な成長のなかで技術を支えている CTO には本当に感謝しています。2017年の頭、高野 CTO が入った頃は、まだ自分がサポートで回答していたりしていました。

そこから半年で30人くらいになって、2~3ヶ月で全部巻き取ってくれて。資金調達できてエンジニア採用して海外展開もやってくぞ、という規模の拡大に動けたからこそ、今トップでやれているんだろうなと思います。

おかげで海外でも面白い事例ができたり、海外支社でも、日本の他の拠点でも事例が立ち上がり出していて、いい感じで伸びてきているんじゃないかなと思っています。

クラウドエースのカルチャー

最近面白いなと思っているのは、Google Cloud Next ’20 in San Francisco へ行きたい意欲が高まっているな、ということですね。新卒社員とかにも、どうやったら参加できますか?と聞かれます。何をしたら選抜チームに選ばれますか?とか。
Meet Ayatoshi(会長に直接質問できる社内イベント) で質問されたり、新卒との飲み会とかでも聞かれました。
2018年は全然立候補がなくて、応募した人全員連れていく!くらいの感じだったので、ここまで意識が変わるのかとびっくりしました。

あとは、自由すぎると言っても過言ではないくらい自由なんじゃないですかね。やっぱり声が大きい人の方が目につきやすいというのはありますが、黙って黙々とやってる人もいますし、社風として、「正直であれ」というのもあるので、正直に言いたいことは言えばいいじゃんという気持ちで会社もやっています。
お客さんにもできないことはできないと言うなど、そういうレベルの正直さは根付いてきているかなと。そこは、他の SIer とは根本的に違うところかなと思いますね。生意気だと思われることもあるかもしれないですが、僕らとしては真摯に向き合っているからこそなので。

そのための勉強会を自主的に開催したり、開発合宿をやったりもするので、もっと
もっとアウトプットができるようになるといいと思います。