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こんにちは、クラウドエースの小勝と村田です。 2026年7月31日、Google Cloud Next Tokyo '26 の2日目が開催されました。本稿では、AI ハイパーコンピューター、Gemini Enterprise Agent Platform、エージェンティック データクラウド、AI を活用したセキュリティまで、基調講演で発表された内容を速報としてお届けします。 Day 2 では、Day 1 で提示された Gemini Enterprise と 6 つのレイヤーをさらに掘り下げました。主題は、AI エージェントを本番の業務で動かすためのインフラ、開発・運用基盤、データ、セキュリティです。Google Cloud は、ハードウェアからモデル、エージェント、データ、セキュリティまでを一貫して提供するフルスタックの強みを訴求しました。 AI ハイパーコンピューターを支えるインフラ データセンター全体を AI の計算基盤として設計 生成 AI の普及に伴い、コンピューティング需要は急速に増大しています。Google Cloud は、エージェント時代のコンピューティングを単一チップの性能ではなく、クリーンエネルギー、大規模なデータセンター、専用インフラを統合した「AI ハイパーコンピューター」として位置づけました。 国内でも、トヨタグループの Woven by Toyota による時空間理解向け視覚言語モデルの学習、Turing による自動運転向け VLM の開発、SyntheticGestalt による分子特化基盤モデルの開発など、Google Cloud の AI インフラを活用する事例が紹介されました。 TPU、GPU、CPU、ストレージの選択肢を拡張 Day 1 でも紹介された第 8 世代 TPU について、トレーニングと推論の異なる要件に合わせたアクセラレーターを提供すると説明されました。GPU では、NVIDIA Vera Rubin NVL72 をいち早く提供するクラウドの一つになると説明し、長いコンテキストを扱うインタラクティブなワークロードに向けた性能効率を訴求しています。 汎用コンピューティングでは、カスタム設計の Arm CPU である Google Axion を拡充します。Axion N4A 系のインスタンス、ネットワーク処理に適した C4N、大容量メモリ向け M4N など、用途別の選択肢が示されました。 ストレージとネットワークの強化も発表されました。 Google Cloud Managed Lustre: 毎秒 10 TB のスループットをうたう並列ファイルシステム。アクセラレーターの稼働率を高め、AI 処理全体のコスト効率向上を目指す Cloud Storage Rapid: 巨大なデータレイクを活用する際に、読み込み性能とコスト効率を重視するオブジェクトストレージ Smart Storage: 非構造化データの保存時にインテリジェンスを付与し、AI エージェントが利用しやすい状態を目指す機能 GKE: 25 万 6,000 ノードを束ねる Hypercluster や、サーバー起動時間を最大 81% 短縮する Pod Snapshot を紹介 提供状況: GKE Hypercluster は一部顧客に限定公開、他プロダクトは一般提供開始済み Gemini Enterprise Agent Platform を一般提供 開発から運用・統制までを一つのプラットフォームで提供 Google Cloud は、Gemini Enterprise Agent Platform の一般提供開始を発表しました。同プラットフォームは、エージェントの構築、拡張、ガバナンス、最適化を一貫して支援する基盤です。Gemini モデルに加え、Model Garden から Anthropic の Claude などのモデルも選択し、エージェントへ組み込めると説明されました。 構築には、オープンソースの Agent Development Kit(ADK)を利用できます。ADK は、エージェントの構築・実行・デバッグを支援する、スキルとツールを組み込むためのフレームワークです。Google Cloud のサービスはデフォルトで MCP に対応し、Google Workspace、Google Maps、Google Pay などに接続するスキルや MCP ツールも提供されるとしています。 エージェント間の協調には A2A(Agent2Agent)プロトコルを利用します。エージェントが自身の機能を相互に公開し、安全にデータを交換して、複雑な業務フローを連携して実行することを目指します。 本番運用向けのランタイム、メモリ、レジストリ Agent Runtime は Cloud Run 上に構築された、サーバーレスかつスケーラブルなマネージド実行環境です。セッションの作成・管理を行い、ADK と組み合わせることで、会話履歴を維持しながらエージェントを実行できます。 長い対話で履歴が増えると、応答遅延や出力精度への影響が懸念されます。ADK のコンテキスト ウィンドウ自動コンパクションは、重要な記憶を残しつつ履歴を動的に圧縮し、レイテンシーと推論コストの最適化を図る機能です。複数セッションにまたがる長期的・個別化されたコンテキストには Memory Bank を利用できます。 Agent Registry は、エージェント、スキル、ツール、MCP サーバーを保存・発見し、ガバナンスを適用するための一元的な管理基盤です。今回、スキル管理のプレビュー対応と、エージェントリソースの公開・発見・検証に関するオープン標準への対応が発表されました。スキルについては、公開前に脆弱性や悪意のあるコードをスキャンし、リスクが確認された際は中央から無効化できるとしています。 提供状況: Gemini Enterprise Agent Platform は一般提供開始済み。Agent Registry のスキル対応はプレビュー エージェントのアイデンティティ、ゲートウェイ、可観測性 業務でエージェントを利用するには、何がどのデータやツールへアクセスできるかを制御する必要があります。Agent Identity は、SPIFFE を基盤とする暗号学的に証明可能な ID を各エージェントに割り当て、最小権限の原則に基づくアクセス制御を可能にします。IAM を介して、スキル、ツール、API への権限を管理できます。 Agent Gateway は、エージェントのインバウンド・アウトバウンド通信に対する一元的な制御点です。Identity で許可されたエージェント、ツール、スキルだけに細かな認可を適用し、許可されていないネットワークや API へのアクセスを防ぎます。Model Armor との統合により、コードを変更せずにプロンプトインジェクション、ジェイルブレイク、機密情報漏えい、悪意のある URL などへの保護を適用できると説明されました。 Agent Observability は、OpenTelemetry などのオープン標準を用いて、プロンプトと応答、ツール利用、実行パス、トークン使用量を追跡します。トポロジーグラフや本番トラフィック上の評価により、エージェントのデバッグ、セキュリティ確保、品質改善を支援します。 購買エージェントのデモで示した実運用の姿 デモでは、Antigravity CLI で開発した購買エージェントを Gemini Enterprise 上で実行しました。利用者がノート PC の購入を依頼すると、A2UI (Agent to UI) によりボタンやフォームを含む UI を会話の文脈に応じて動的に生成します。購買エージェントは A2A を通じて在庫管理エージェントと連携し、MCP 経由で予算を確認して、購入台数を調整したうえで申請を完了しました。 同時に、登録されていない外部 MCP サーバーへの接続や、申請内容を不正に書き換えようとするプロンプトインジェクションをブロックする様子も示されました。Agent Registry、Agent Identity、Agent Gateway、Model Armor、Agent Observability を組み合わせることで、エージェントの接続先、権限、攻撃対策、実行履歴を管理する構成です。 エージェンティック データクラウドで「知る」から「行動する」へ System of Action への転換 Google Cloud は、AI エージェントが企業に代わって自律的に行動する時代には、従来の「System of Intelligence」だけでは不十分だと説明しました。エージェントが求めるのは、単にデータへアクセスすることではなく、関係性や意味、業務上の重要性を理解できる信頼性の高いコンテキストです。 エージェント規模への移行、受動的な分析からリアルタイムの能動的な実行への移行、データからコンテキストへの移行という 3 つの変化を提示しました。断片化されたアーキテクチャでは、コスト増大、データの囲い込み、信頼性の欠如が課題になると指摘し、これに対応する基盤として「エージェンティック データクラウド」を位置づけています。 エージェンティック データクラウドは、次の 3 領域で構成されます。 Borderless Lakehouse: データの場所を問わず利用するためのオープンなデータ基盤 Trusted Context: エージェントが根拠に基づいて推論するためのコンテキスト Intent-driven Outcomes: 利用者の意図から分析や実行を進めるエージェンティックな機能 Borderless Lakehouse とデータ基盤の拡張 Cloud Spanner Omni は、フルマネージド版 Cloud Spanner と同じ中核機能を Google Cloud 外でも提供する構想として紹介されました。無制限のスケーラビリティ、高可用性、強整合性、エンタープライズ向けセキュリティ、マルチモデル機能を訴求しています。 AlloyDB の Lakehouse Federation は、トランザクションシステムから大規模なデータウェアハウスを直接クエリし、リアルタイムのビジネスインサイトを得ることを目指す機能です。また、Apache Iceberg を基盤とする Borderless Lakehouse により、AWS、Azure、SaaS などにあるデータを移動せずに活用する方針を示しました。 AWS・Azure への低遅延接続、クロスクラウド キャッシュ、Snowflake Horizon Catalog、Databricks Unity Catalog、AWS Glue Catalog とのカタログ連携も紹介されました。これらにより、クラウドをまたぐデータアクセスのコストと性能を改善し、データがどこにあってもエージェントが利用できる状態を目指します。 データ処理では、Apache Spark と比較して最大 4.9 倍の性能をうたう Lightning Engine の一般提供開始、BigQuery のフルフレックス スケーリングによる秒単位課金と、オートスケーリング ワークロードで最大 34% のコスト削減が紹介されました。 提供状況: 一部機能はプレビュー。Lightning Engine は一般提供開始済み Knowledge Catalog で非構造化データをコンテキストへ Knowledge Catalog は、メタデータとビジネスセマンティクスを集約・拡充・検索し、企業全体のコンテキスト エンジンとして機能することを目指します。運用データベース、分析データ、外部カタログ、Cloud Storage 上の非構造化データに加え、SAP、Salesforce、Workday などの SaaS も対象として挙げられました。 企業データの多くを占める文書、画像、ログなどの非構造化データを、Gemini によるエンリッチメントで利用可能にします。Cloud Storage に保存したデータへ自動でメタデータを付与し、複雑な関係性をマッピングすることで、エージェントが必要最小限のコンテキストを検索・取得できるようにします。アクセス権限に従った情報取得と、不要な推論ループやトークン使用量の削減も狙いです。 Data Agent Kit と Conversational Analytics Data Agent Kit は、独自のエージェンティック スキル、MCP ツール、プラグインを、VS Code、Claude Code、Antigravity CLI など、開発チームが日常的に使う環境に提供すると説明されました。開発者が意図を定義すると、構造化された計画の作成、コード生成、デプロイまでに必要なツールを提供します。 ビジネスユーザー向けには Conversational Analytics が紹介されました。BigQuery、Looker、AlloyDB、Cloud Spanner、Cloud SQL のデータを基にした分析エージェントを Gemini Enterprise に公開し、普段使う Workspace から安全にインサイトを得る構成です。Gemini Enterprise と Knowledge Catalog を直接接続し、企業データで推論をグラウンディングすることで、セキュリティ制御の迂回を防ぎ、ハルシネーションを抑える考え方も示されました。 顧客事例: GovTech 東京と NTT ドコモ GovTech 東京は、1,000 万人超の都民が利用することを想定した次世代の東京都公式アプリに向けて、Google Cloud と Cloud Spanner を採用したと紹介しました。災害時を含む急激なアクセス増への対応、リアルタイムのデータ整合性、内製開発チームが主体的に運用・進化させられる技術スタックを重視したとしています。現在の東京都公式アプリは 600 万ダウンロードを超え、次世代アプリでは行政手続き、防災、子育てなどの共通入口を目指します。 NTT ドコモは、AI を使ってマーケティングプロセスをゼロベースで再構築する「フル AI マーケティング」の構想を紹介しました。1 億超の dポイント会員、2,000 種類超のプロファイル、月間 160 億回超の顧客アプローチを扱う中で、顧客データ、施策ロジック、ROI、事業ナレッジを統合します。社内で運用する 130 超のデータ活用アプリと、5,000 人超の社員が利用する業務資産から現場知識を構造化し、複数のエージェントをガバナンスとセキュリティを保ちながら運用する計画です。2027 年のフル AI オペレーション実現を目標に掲げました。 AI を活用したセキュリティ運用の自動化 AI Threat Defense の 4 ステップ AI により脆弱性の発見から悪用までの時間が短縮される中、Google Cloud は「AI Threat Defense」を、AI で防御ライフサイクル全体を連携させる統合ソリューションとして紹介しました。Project Naptime から Google DeepMind との共同プロジェクト Big Sleep へと発展した脆弱性発見の研究と、コードを自動修復する CodeMender を背景にしています。 防御の流れは次の 4 ステップです。 Attack Surface Management: 外部から攻撃可能な資産と過剰な権限を可視化し、守るべき領域を絞り込む AI によるディープスキャン: 脆弱性に実際に到達でき、悪用可能かを判定し、リスクを優先順位付けする 自律的な修復: 危険度の高い脆弱性に対し、AI エージェントがコード修正とテストを行う 継続的なレッドチーミングと監視: 環境や攻撃手法の変化に対応するフィードバックループを回す Wiz と CodeMender の連携デモ デモでは、Wiz がマルチクラウド・マルチ AI 環境をエージェントレスでスキャンし、AI エージェント、モデル、MCP サーバー、ガードレール設定、ランタイム上の攻撃を可視化する様子が紹介されました。リソース間の関係をグラフとして分析し、インターネットに公開された AI エージェントが機密データに到達できるケースで、実際の攻撃可能性を Red Agent が検証します。 Wiz の Green Agent は、根本的なコード修正までの暫定措置として、ファイアウォール設定の変更を提案しました。コード、コンテナ、Kubernetes 環境、公開 API の関係まで把握することで、対処すべきリスクの優先度を判断する考え方です。 CodeMender は、既知のパターンとの照合だけでなく、熟練したソフトウェア セキュリティ エンジニアのように未知の脆弱性を発見することを目指す機能です。デモでは、C++ の複数ファイルにまたがるバッファオーバーフローを検出し、攻撃コードをサンドボックスで実行して悪用可能性を確認した後、パッチを作成・検証しました。脆弱性検出向けに強化された Gemini 3.5 Flash Cyber を含むモデルを選択できるとしています。 提供状況: CodeMender はパブリックプレビュー、Gemini 3.5 Flash Cyber は一部政府機関と企業のみ提供 Google Cloud Next Tokyo '26 の基調講演 Day 2 を振り返る(まとめ) Google Cloud Next Tokyo '26 の Day 2 では、AI エージェントをデモから本番業務へ展開するための技術スタックが、インフラ、エージェント基盤、データ、セキュリティの順に具体化されました。 特に Gemini Enterprise Agent Platform の一般提供は、エージェントを作るだけでなく、ID、接続先、権限、脅威対策、実行状況を一貫して管理するための基盤を示す発表です。エージェンティック データクラウドでは、企業に散在する構造化・非構造化データを信頼できるコンテキストとして活用し、分析から行動につなげる構想が打ち出されました。 同時に、AI を活用する攻撃に対しても AI で対抗し、発見、優先順位付け、修復、監視を高速化するアプローチが示されました。各機能の提供時期や利用条件は異なるため、導入検討時には公式の製品情報をご確認ください。 ※この記事は迅速な情報提供を重視し、速報として掲載しております。もし記事内に誤りがございましたら、後日訂正いたします。
2026.07.31
こんにちは、クラウドエースの村田と小勝です。2026年7月30日、Google Cloud Next Tokyo '26の1日目が開催されました。本稿では、Gemini Enterpriseを中核としたエージェント時代のフルスタックから、顧客事例、Workspaceの進化、セキュリティまでを速報レポートとしてお届けします。 1日目はビジョン「AIの力でともに創ろう ワクワクする日本の未来を」を起点に、現場へ埋め込むエージェントと業務再設計の重要性を示されました。続くパートではGemini EnterpriseとAgent Platform、日本企業の導入事例、Google Workspaceのエージェンティック化、そしてAI Threat Defenseが紹介されました。 [toc] ビジョンと日本市場の現実 オープニングとビジョン 基調講演では、AIのビジネス活用への挑戦を振り返ったうえで、ビジョン「AIの力でともに創ろう ワクワクする日本の未来を」が示されました。 産業革命期の電気導入をたとえに、中央の大きなシステム置換だけでは生産性が爆発的に向上しない点を説明 エージェントを現場業務に埋め込み、仕事の流れを再設計することが鍵だと位置づけ 生成AI登場から数年で、かつての30年より早い変化が訪れるとの認識を共有 グローバルと日本のAI活用ギャップ グローバルではGoogle Cloud顧客の約75%がビジネス推進にAIを活用している一方で、日本市場については独自調査の結果が共有されました。 グローバルのGoogle Cloud顧客のうち約75%がすでにAIを活用 日本調査ではAIエージェント未活用が約70% AI利用者の約半数が会社非公認のシャドーAIを利用(約49.8%) 労働人口減少下では暗黙知を企業価値へ転換するAI活用が不可欠との問題提起 フルスタックAIの全体像 チップからアプリケーションまでを自社で開発・運用するフルスタックAIの構成が示されました。 主な特徴としては以下のとおりです。 TPUをはじめとするAI向けインフラ層 フロンティアモデルとエージェンティックデータ基盤 防御、エージェントプラットフォーム、専門エージェント/アプリまでの連携 学習用と推論用など、用途に応じたTPU(例: TPU 8t / 8i)の紹介 提供状況: 発表 Gemini Enterpriseの中核と顧客事例 Gemini Enterpriseの位置づけ 統合AIフルスタックの中心としてGemini Enterpriseが紹介されました。ビジネス変革を目指す企業向けのエージェントプラットフォームであり、働く人が使うAI/エージェントのインターフェースでもあります。 主な特徴としては以下のとおりです。 散在データをコンテキスト/インテリジェンスへ変換 自動化されたエージェントとの組み合わせで価値創造 シンプル・安全・費用対効果を訴求 提供状況: 一般提供 日立製作所・FANUCの活用 日立製作所は働き方変革の実践、FANUCは産業用ロボティクスのAIエージェントシステム構築例として紹介されました。 主な特徴としては以下のとおりです。 日立製作所: 自らカスタマーゼロとなり社内ノウハウを顧客へ還元 FANUC: 人の指示で複数ロボットが連携する高度自動化 オフィス業務から製造現場までGemini Enterpriseの適用範囲を示す 提供状況: 一般提供 NTTデータとのパートナーシップとClient Zero NTTデータはGemini EnterpriseとGoogle Workspaceを活用し、エージェンティック企業への進化を目指すパートナーシップを紹介しました。Client Zeroの取り組みが強調されました。 主な特徴としては以下のとおりです。 2026年6月にGoogle Cloudとの包括契約を締結したと説明 決め手はエージェンティック・ワークプレイス構想、セキュリティ/ガバナンス、顧客要望の増加 チャット型AIから自律型AIエージェント/デジタルワーカー主導の業務プロセスへ進化する方針 提供状況: 一般提供 SOMPO AIエージェント(損保ジャパン) 損保グループは汎用型AIとしてGemini Enterpriseを採用し、グループ全社員約3.4万人へ「SOMPO AIエージェント」として提供している事例が紹介されました。 主な特徴としては以下のとおりです。 NotebookLMとの相性を重視して選定 会議音声の自動投入や公式Notebook、市民開発エージェントを展開 導入半年でWAUが80%超、部長以上のマネジメント層はWAU 98% 提供状況: 一般提供 Sky株式会社の全社導入とエージェント量産 SKYは処理精度と検索・ガバナンスを決め手にGemini Enterpriseを全社導入し、短期間で大量のエージェントが自発的に作成されたと報告しました。 主な特徴としては以下のとおりです。 全AIリクエスト数が1日あたり約1.5万回から約3万回へ(約2倍) 導入5ヶ月で約2万エージェントを達成 複合プロンプトが約48%を占め、個別業務へのチューニングが進む 暗黙知やローカルデータの可視化という副次効果 提供状況: 一般提供 Square Enixのマルチモーダル活用 Square Enixは画面と音声を理解して動くマルチモーダルAIを重視し、Gemini Enterprise Agent Platformを採用した取り組みを紹介しました。 主な特徴としては以下のとおりです。 プレイヤー体験: DQX向け対話型AIバディ「おしゃべりスラミィ」 開発現場: 画面を見てコントローラー操作する自動プレイ/QA支援 クリエイターが創造性の高い作業に集中できる環境づくりを目指す 提供状況: 一般提供 Gemini EnterpriseアプリとAgent Platformの進化 Gemini Sparkとアプリ機能 指示型から委任型への移行を支えるパーソナル・スーパーエージェント「Gemini Spark」や、Skills、Projects、Canvas、Agent Designer、モバイルアプリなどが紹介されました。 主な特徴としては以下のとおりです。 Gemini SparkはEnterpriseとWorkspace双方で利用可能 Skillsで繰り返しタスクを標準化・共有 Projectsでファイルや会話履歴を1つの場所に集約 コネクタ&MCPサーバーで、外部システムのデータをリアルタイムに連携し、多様な外部アプリと簡単に接続 CanvasによりGoogle WorkspaceやMicrosoft 365のファイルを素早く作成・編集できます Agent Designerでコードなしにエージェントを作成・テスト・公開 モバイルでもブラウザ版と同等の機能を提供 提供状況: 発表 Google Antigravityの統合 エージェントファーストの開発プラットフォーム Google Antigravity が、Gemini Enterpriseライセンスに利用枠として含まれることが発表されました。 主な特徴としては以下のとおりです。 ソフトウェア開発ライフサイクル向けのエージェントファースト基盤 利用状況を管理コンソールから一元管理 トークン消費の暴走リスク軽減とクォータの公平な配分を意図 提供状況: 発表 日本リージョン対応 Gemini Enterpriseアプリの日本リージョン対応が発表され、許可リスト(allowlist)対象のお客様から順次利用できると説明されました。 主な特徴としては以下のとおりです。 日本リージョンへの完全対応を強調 厳格な規制下でも利用しやすい選択肢として位置づけ 提供状況: プレビュー Geminiモデルラインナップと日本リージョン推論 Gemini 3.5 / 3.6系のモデルラインナップが紹介され、Gemini 3.5 Flashの日本リージョン対応も発表されました。 主な特徴としては以下のとおりです。 Gemini 3.5 Flash: スピードと低コスト Gemini 3.5 Flash Lite: 高速・コスト効率 Gemini 3.6 Flash: マルチモーダル性能の基幹モデル Gemini 3.5 Pro: エージェンティックコーディング向けに最適化 提供状況: 発表 Gemini Omni Flash 基調講演では、生成メディアモデルとして Gemini Omni Flash(プレビュー)が紹介されました。動画をはじめとする多様な入力からコンテンツを創作できる点が強調され、Nano Banana と同様の自然言語による編集機能にも言及されています。 主な特徴としては以下のとおりです。 物理世界のシミュレーション ネイティブなマルチモーダル処理 対話型のビデオ編集 提供状況: プレビュー Model Garden Model Garden では、Gemini など Google 独自モデルに加え、Anthropic や Meta Llama などサードパーティ/オープンモデルもワンクリックでデプロイできる構成が示されました。 主な特徴としては以下のとおりです。 Google 独自モデルとサードパーティモデル、オープンモデルをModel Garden上で選択可能 ワンクリックでのデプロイを訴求 Anthropic や Meta Llama などオープンエコシステムもカバー 提供状況: 一般提供 Agent Platformの拡張・ガバナンス・最適化 Gemini Enterprise Agent Platformの一般提供と、開発・拡張・ガバナンス・最適化の機能群が紹介されました。 主な特徴としては以下のとおりです。 ADKなどローコードからフルコードまでの開発選択肢 エージェントアイデンティティ、レジストリ、ゲートウェイによるガバナンス 負荷試験や継続改善(フライホイール)などの運用機能 AlphaEvolveなど高度な最適化エージェントにも言及 提供状況: 一般提供 Gemini Enterprise for Customer Experience カスタマージャーニーをエンドツーエンドで支える Gemini Enterprise for Customer Experience が紹介されました。 主な特徴としては以下のとおりです。 単体ソリューションの寄せ集めではなく統合スイートとして訴求 食品注文や自動車業界向けなど、すぐ使えるエージェント例 有人対応の強化と業務パフォーマンス可視化にも言及 提供状況: 発表 Google Workspaceのエージェンティック化 Sheets canvas スプレッドシート上にオンデマンドでミニアプリやダッシュボードを構築・共有できる Sheets canvas が紹介されました。 主な特徴としては以下のとおりです。 静的なグリッドからインタラクティブなUIへ リアルタイム共同編集がそのまま使える 日本語を含む多言語対応は今年後半予定との説明 提供状況: 発表 Gemini 3.5 Live Translate 会議のライブ翻訳 Gemini 3.5 Live Translate が紹介され、Google Meetへの導入が今年後半予定と説明されました。 主な特徴としては以下のとおりです。 70以上の言語に対応 2000以上の言語組み合わせで会話を実現 言語の壁を超えたコラボレーションを支援 提供状況: 発表 AIコントロールセンターと移行の高速化 企業データにアクセスするAIエージェントを管理するAIコントロールセンターや、Microsoft 365からの移行の高速化が紹介されました。 主な特徴としては以下のとおりです。 Microsoft 365からの移行が最大5倍速くなるとの説明 Data Importでメール/ファイル/チャットを管理コンソールから移行 追加ソフトウェアや追加費用が不要である点を強調 提供状況: 発表 セキュリティとクロージング AI Threat DefenseとCodeMender AIによる脅威の加速に対し、自律的に守る Google AI Threat Defense が紹介されました。中核エージェントとしてCodeMenderがプレビュー提供されています。 主な特徴としては以下のとおりです。 脆弱性発見から悪用までの時間が短くなっている状況を背景に、AIで対抗する必要性を説明 Google自身の運用でも脅威対応時間を90%以上短縮した事例に言及 準備・スキャン・修復・監視のサイクルで脆弱性管理を再発明 CodeMenderがソフトウェア脆弱性を自動検出・修正 提供状況: プレビュー 無償セキュリティアセスメントと資格キャンペーン AI Threat Defenseを活用したセキュリティアセスメントの年内限定無償提供や、Next Tokyo開催記念の認定資格受講料50%割引が案内されました。 主な特徴としては以下のとおりです。 国内ローンチパートナー例としてNTTデータ、NEC、日立、富士通などに言及 アセスメント詳細は担当窓口へ問い合わせ 認定資格受講料50%割引キャンペーンを実施 提供状況: 発表 Google Cloud Next Tokyo '26の基調講演 Day 1を振り返る(まとめ) Google Cloud Next Tokyo '26 基調講演 Day 1では、ビジョン提示からGemini Enterpriseを軸としたエージェント時代の実践、日本企業の導入成果、Workspaceのエージェンティック化、そしてAI Threat Defenseまでが一気通貫で示されました。 特に、現場へ埋め込むエージェントと業務再設計というメッセージと、導入企業の具体数値(WAUやエージェント数など)がセットで語られた点が印象的でした。製品の提供条件やリージョン可否は、公開情報で改めてご確認ください。 ※Google Cloud、Google Workspace、Gemini 3.5 Pro、Gemini 3.5 Flash、Gemini 3.5 Flash Lite、Gemini 3.6 Flash、Gemini Omni Flash、Vertex AI、Google、Gemini、Vertex AI Model Garden、Vertex AI Grounding、Vertex AI Agent Engine、Google Agentspace、Vertex AI Search for Commerce、Customer Engagement Suite with Google AI、Gemini Deep Research、Google Meet、Google Distributed Cloud Air-GappedはGoogle LLCの商標です。 ※この記事は迅速な情報提供を重視し、速報として掲載しております。もし記事内に誤りがございましたら、後日訂正いたします。
2026.07.30
生成AIの活用が広がる一方で、企業では「情報が散在して必要な答えにたどり着けない」「AIを全社展開したいが、権限管理やセキュリティが不安」といった課題が残っています。そうした文脈で注目されているのが、Work AIプラットフォームのGleanです。 この記事では、Gleanとは何か、何ができるのか、なぜ今評価されているのかを整理します。あわせて、情シス担当者やDX推進担当者が導入前に確認しておきたいポイントや、費用感を把握するうえで見ておきたい点についても実務目線で解説します。 [toc] Gleanとは Gleanとは、企業内に散在する知識、システム、業務文脈をつなぎ、AIが検索、回答、要約、自動化まで行えるようにするWork AIプラットフォームです。 単なる社内検索ツールではなく、検索基盤、AIアシスタント、AIエージェントを一体で扱える点が特徴です。まずは「社内の知識をつなぎ、AIを業務で使える状態にする基盤」と捉えると理解しやすいでしょう。 参考:Glean公式サイト 情報の場所を探すだけの使い方にとどまらない Gleanは、社内のどこに情報があるかを探すためだけのAIではありません。文書や会話、業務システム上の情報を横断しながら、質問への回答や関連情報の要約、その先の業務処理までつなげやすい点に特徴があります。 そのため、情報探索の効率化だけでなく、問い合わせ削減、オンボーディング支援、ナレッジ活用の平準化まで期待しやすくなります。検索結果を返して終わるのではなく、実務を前に進めるための基盤として使いやすい点がGleanの違いです。 向いている企業像 Gleanが向いているのは、情報が複数のSaaSや部門ごとのストレージに分散している企業です。Slack、Google Drive、Jira、Confluence、GitHub、SharePointなどを日常的に使い、情報探索コストが高い企業ほど相性があります。 特に、情シス部門が社内問い合わせの多さに悩んでいるケースや、DX推進部門が生成AIの全社活用を進めたいがガバナンス面で止まっているケースでは、検討価値を整理しやすい製品です。 Gleanは何ができる? Gleanでできることは、大きく「探す」「答える・作る」「動かす」の3つです。社内データを横断検索し、自然言語で質問に答え、必要なアウトプットを作り、さらにエージェントで業務を前に進めます。 重要なのは、検索、アシスタント、エージェントが分断されていないことです。Gleanは情報を探すためのツールというより、企業内の知識、権限、業務文脈をつなぎ、回答、生成、実行までを一つの流れで支えるWork AIプラットフォームとして捉えると理解しやすくなります。 社内情報を横断して検索できる Gleanの出発点は横断検索です。複数の業務ツールをまたいで情報を探せるため、資料の所在確認、経緯の把握、担当者の探索といった日常業務を短縮しやすくなります。 公式情報では、100以上のコネクタを通じてさまざまな業務アプリケーションを横断検索できると案内されています。情報を探すたびにアプリを切り替える必要が減ることは、現場の体感価値につながりやすいポイントです。 参考:Glean Workplace Search Slackのやり取り Google Drive内の資料 JiraやConfluenceの情報 GitHubなどの開発関連情報 その他の業務アプリケーション 自然言語で質問し、必要な回答を得られる Gleanは、自然言語で質問すると、社内データを横断して必要な答えを返せる点が強みです。単語一致の検索ではなく、「この案件の背景を教えて」「昨日の会議で何が決まったか教えて」といった聞き方でも使いやすく設計されています。 企業独自の言い回しや業務に関する文脈を踏まえて理解し、ユーザーの役割やチームの働き方に応じて関連性の高い結果を返すとされています。さらに、社内の人、コンテンツ、それらの関係性をもとにナレッジグラフを構築し、検索結果や回答をユーザーごとに最適化する点も特徴です。 また、SlackやMicrosoft Teamsなどのコミュニケーションツールも回答のデータソースとして扱えるため、正式な資料だけでなく、日々のやり取りの中に埋もれた情報まで参照しやすくなります。情報の保存場所を意識せず探せることは、実務での使いやすさに直結します。 参考:Glean Workplace Search 人や組織のナレッジも見つけやすい Gleanの価値は、文書検索だけではありません。誰がどの領域に詳しいのか、どのチームが何を担当しているのかといった、人と組織のナレッジにもアクセスしやすくなります。 実務では、「資料そのもの」より先に「誰に聞けばよいか」を知りたい場面が少なくありません。人・組織・プロジェクトのつながりを見つけやすいことは、属人化の緩和や社内連携のスピード向上にもつながります。 要約や下書き作成を支援できる 見つけた情報をそのまま読むだけでは、業務は前に進みません。Gleanは要約や下書き作成も支援するため、会議前のキャッチアップ、問い合わせ回答のたたき台作成、部門内共有文の整理などに活用しやすくなります。 資料を探し、読み、まとめ、共有文を書くという一連の流れを短縮できる点は、現場の生産性に直結します。情報量が多い企業ほど、この部分の価値を実感しやすいでしょう。 画像やスライドなどの生成も可能 Gleanでは、情報を探して答えを得るだけでなく、成果物の作成までつなげられます。Canvasを使えば、アイデア出しから構成案の整理、下書き作成、推敲までを一つの流れで進めやすく、資料作成の初動を短縮しやすくなります。 また、スライドや各種コンテンツの作成にも対応しており、ラフな指示からたたき台を素早く形にできる点も特徴です。Gleanの強みは、単に生成することではなく、社内コンテキストを踏まえながら実務に近いアウトプットへつなげやすいことにあります。 業務の起点になるポータルとして使える Gleanは検索窓だけの製品ではなく、業務の起点となるポータルとしても機能します。全社向けのお知らせ、自分に関係するタスク、各ツール上でのメンションなどをまとめて把握しやすく、日々の業務を始める入口として使いやすい点も特徴です。 複数ツールに分散した通知や更新情報を一つの場所で見られると、確認漏れや切り替えのロスを減らしやすくなります。検索だけでは語りきれない、業務ハブとしての価値もGleanの重要な側面です。 AIエージェントで業務を自動化できる Gleanは検索と回答だけで終わりません。AIエージェントにタスクを与え、コンテキストと推論を使って業務処理を進めることまで想定されています。 公式のプラットフォーム概要では、Enterprise Context、Glean Protect、Glean Agents、Open Platformが構成要素として示されています。重要なのは、単純な自動化だけでなく、必要な情報を集め、タスクを小さく分解し、順序立てて進めるAgent基盤として設計されている点です。検索から実行までを一つの基盤で扱えることが、Work AIプラットフォームとしての強みです。 参考:Glean プラットフォーム概要 機能領域 概要 業務で期待できること 横断検索 複数ツールをまたいで情報を探せる 情報探索時間の削減 AIアシスタント 質問応答、要約、下書き作成 問い合わせ対応や資料準備の効率化 ポータル機能 通知、タスク、メンションなどをまとめて確認できる 業務の起点を集約し、確認漏れや切り替えロスを減らす AIエージェント タスク実行や業務自動化を支援 定型業務の削減、実務へのAI定着 Gleanが注目されている背景 Gleanが注目される背景には、社内情報の分散、生成AI活用の本格化、セキュリティ要求の高まりがあります。単にAIチャットを導入するだけでは、企業利用に必要な条件を満たしにくくなってきました。 そのなかで、企業文脈を扱え、既存システムと連携でき、権限管理も考慮された基盤としてGleanが評価されています。ここでは、特に重要な背景を整理します。 社内情報が分散しすぎている 現在の企業では、情報が一つの場所に集約されているケースのほうが少数です。部門ごとに使うSaaSが異なり、ファイルの保存場所も分かれ、会話ログやチケットの履歴も別々に存在します。 その結果、必要な情報が存在していても見つからず、同じ質問や確認が何度も発生します。Gleanは、この分散状態を前提に横断的に扱うため、現代の業務環境に合いやすいのです。 生成AIには社内文脈が必要になっている ChatGPTやGeminiアプリなどの汎用的な生成AIは便利ですが、そのままでは社内独自の業務ルールや用語、権限、判断基準までは理解しません。実務で使うには、社内文脈に基づいた回答が必要です。 Gleanは、企業固有の言語や関係性、データソースを踏まえてAIを動かす設計を取っています。だからこそ、「検索に強いツール」というより、企業文脈を理解してタスクを前に進めるWork AI基盤として評価されやすくなっています。 全社展開にはセキュリティと権限管理が欠かせない AI導入がPoCで止まりやすい理由の一つは、セキュリティとガバナンスです。誰に何が見えるのか、どのデータを参照しているのか、監査や統制に耐えられるのか。この論点を無視すると全社導入は進みません。 Gleanは、プライベート設計、機密データ保護、権限に応じたアクセス、エージェントの動作検証などを打ち出しています。生成AIを現場利用から全社展開へ進めたい企業にとって、この部分は重要な評価軸です。 参考:Glean Security 効果を説明しやすい定量情報が出てきている AI基盤の導入では、「便利そう」だけでは稟議が通りません。どれだけ時間が減るのか、どれだけ運用負荷が下がるのかといった説明が必要です。 Glean公式では、35以上のLLMモデル対応、トークン使用量30%削減、ユーザー1人あたり年間110時間削減、社内サポートチケット20%削減、6か月でROI到達といった数値が紹介されています。さらに、公式プレスリリースでは、ユーザーが1日平均5回クエリを実行し、DAU/MAU比も約40%とされており、導入後に継続的に利用されやすいことを示す材料としても注目されています。検討材料となる定量情報がそろっていることも、注目度を高める理由の一つです。 参考:Glean公式サイトGlean公式プレスリリース 情シス担当者・DX推進担当者が見るべき導入ポイント Gleanの導入では、機能の豊富さだけで判断しないことが大切です。重要なのは、自社の情報環境や業務課題とどう結びつくかです。 連携対象、権限、ナレッジ整備、利用定着まで含めて見ることで、導入後のギャップを小さくできます。ここでは、検討時に外しにくい論点を整理します。 どのシステムからつなぐかを決める 最初から全システムを対象にすると、設計も説明も複雑になります。まずは、問い合わせが多い情報源や、日常的に利用頻度が高いツールから優先順位を付けるのが現実的です。 対象が明確であれば、効果測定もしやすくなります。小さく始めて成果を示し、そこから接続範囲を広げる進め方のほうが社内合意を取りやすいケースも少なくありません。 既存の権限設計を活かしながら導入できる Gleanは、接続先システムに設定されている既存のアクセス権限を引き継げる点が大きな強みです。権限のない情報は見えない前提で使えるため、「AIに社内情報をつないだとき、誰に何が見えてしまうのか」という情シス部門の不安を抑えながら導入を進めやすくなります。 そのうえで、元の権限設計が整理されていれば、より安心して全社展開しやすくなります。導入前に、誰がどこまで見えるべきか、各ツールで権限設定にばらつきがないかを確認しておくと、Gleanの強みをより活かしやすくなるでしょう。 ナレッジの置き方も整える AI基盤を入れても、元の情報が古い、重複している、置き場所が不明確では、活用効果は落ちます。正本の定義、更新ルール、命名規則といった基礎整備は欠かせません。 Gleanはナレッジ活用を前に進める製品だからこそ、土台の情報設計が効きます。導入を機に、情報整理の基準を見直すことも大きな価値になります。 評価指標を業務に寄せる 導入評価は、ログイン数や利用回数だけで見ると不十分です。資料探索時間、オンボーディング期間、問い合わせ件数、提案準備工数など、業務に近い指標で見たほうが判断しやすくなります。 DX推進の観点では、AIがどれだけ使われたかより、業務がどう変わったかを測ることが重要です。PoCで終わらせないためにも、評価軸は早い段階で決めておきたいところです。 将来の拡張性も見ておく Gleanは検索だけでなく、アシスタント、エージェント、API、SDKなど拡張余地も持つプラットフォームです。今の課題を解決するだけでなく、今後どこまでAI活用を広げたいかも見ておく必要があります。 現時点では検索中心で使うとしても、将来的に自動化や他システム連携まで見据えるなら、最初から拡張性を確認しておくほうが選定後の手戻りを減らせます。 Gleanの費用を確認する際に見ておきたいこと Gleanの費用は公式サイト上で確認することはできません。なぜなら従業員数や連携したいアプリ・ツールによって料金が異なるためです。 そのため、まずは自社の利用想定を整理したうえで問い合わせに進むことをおすすめします。従業員数、接続したいツールの数、活用範囲などを事前にまとめておくと、見積もりの確認がスムーズになります。 見積もり前に整理しておきたい項目 見積もりを確認する前に、どの範囲で使いたいのかを整理しておくことが重要です。対象ユーザー数、接続したいデータソース、検索中心で使うのか、エージェント活用まで見据えるのか、導入支援をどこまで必要とするのかによって、確認すべき内容は変わります。 こうした前提が曖昧なままだと、提示された金額だけを見ても比較しにくくなります。費用を確認する際は、要件整理とあわせて進めるほうが判断しやすくなります。 利用予定ユーザー数 接続したいデータソースの数 検索中心か、エージェント活用まで含むか 初期構築や定着支援の必要範囲 社内のセキュリティ・監査要件 費用はライセンスだけで見ない 企業向けのAI活用基盤では、単純なライセンス費用だけを見ると判断しにくいことがあります。問い合わせ対応の削減、情報探索時間の短縮、教育工数の圧縮、運用負荷の軽減など、導入後の変化もあわせて見ておくことが重要です。 費用を確認する際は、「いくらか」だけでなく、「どの業務をどこまで改善できそうか」という観点も持っておくと比較しやすくなります。特に情シス部門やDX推進部門では、導入後の運用まで含めて判断する視点が欠かせません。 クラウドエースが支援できること Gleanの導入は、製品選定だけで完結しません。契約、環境構築、権限設計、定着化、周辺システムとの連携まで見据えるほど、プロジェクト全体の難易度は上がります。 クラウドエースはGleanのリセールパートナーおよびサービスパートナーとして、日本企業に合わせた導入支援を提供しています。ここでは、導入現場で価値になりやすい支援内容を整理します。 参考:Glean導入・運用支援 | クラウドエース株式会社 契約から導入まで進めやすい体制 クラウドエースの案内では、日本円での請求書発行、導入から定着までのワンストップ支援、競争力のある価格体系などがメリットとして示されています。製品比較だけでなく、導入実務をどう進めるかまで含めて考えられる点は大きな利点です。 特に、海外SaaSの契約や運用に慣れていない企業では、契約面と導入面をまとめて相談できるかどうかで進めやすさが変わります。 ナレッジ活用設計まで含めて伴走できる Gleanは、つないだだけで成果が出る製品ではありません。どの部門から始めるか、どの情報を優先するか、何を成果指標に置くかまで設計が必要です。 クラウドエースでは、情報整理や活用戦略の観点も含めて支援できるため、初期設定だけでなく、業務定着まで見据えた進め方を取りやすくなります。DX推進の実行支援まで求める企業には相性がよいはずです。 実際にクラウドエース社内でもGleanの活用は進んでおり、社内ダッシュボード上では、サインアップ後の利用状況を示すActivityが93%、習慣的な利用を示すStickinessが90%となっています。導入して終わりではなく、日常業務の中で継続的に使われやすいことは、活用定着を考えるうえでも示唆になるポイントです。 Google Cloud活用まで含めて相談しやすい 将来的に、Gleanを入口として生成AIの活用範囲をさらに広げたい企業もあるでしょう。クラウドエースはGoogle Cloudの支援実績を背景に、周辺のAI活用やデータ基盤との連携も含めて相談しやすい体制を持っています。 Glean単体の導入ではなく、全社的なAI活用の流れの中で位置づけたい場合にも、構想から実装まで一貫して考えやすくなります。 関連情報:生成AI活用支援 まとめ Gleanとは、企業内の知識、システム、コンテキストをつなぎ、AIを検索だけでなく実務に活用しやすくするWork AIプラットフォームです。社内情報の分散、生成AI活用の本格化、セキュリティ要求の高まりといった背景から、今まさに注目度が高まっています。 情シス担当者やDX推進担当者にとって重要なのは、機能一覧を見ることではなく、自社の情報環境にどう当てはまるかを見極めることです。連携対象、権限設計、ナレッジ整備、定着支援まで含めて考えることで、導入判断の精度は大きく変わります。 Gleanの検討を進める際は、製品理解と同時に、どの業務課題を優先的に解くのかを整理しておくことが重要です。そうすることで、導入の成否をより具体的に判断しやすくなります。 クラウドエースでは、Gleanパートナーとして公式情報を主軸にしながら、日本企業の実務に合わせた導入支援をご提供しています。詳細はGlean導入・運用支援や生成AI活用支援をご覧ください。
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