Cloud Ace (クラウドエース)
  • 特長
  • AI駆動
  • サービス

    コンサルティング

    • Google Cloudコンサルティング
    • Google Cloud活用診断サービス
      (Cloud Doctor)

    Google Cloud

    • Google Cloud支払代行
      カスタマーサービス
    • Google Cloudへの移行支援
    • プリペイド定額ライセンスプラン
      (文教・研究機関向け)
    • Google Cloudシステム監視 +
      運用支援
    • Google Workspace導入支援
    • Google Maps Platform導入支援
    • 地域情報可視化マップ構築支援
      — Machishiru —

    システム開発

    • インフラストラクチャ構築支援
    • アプリケーション開発
    • PoC(概念実証)支援

    データ分析

    • データ分析基盤構築支援 /
      BigQuery ML(機械学習)活用支援
    • SAP分析基盤パッケージ
    • Looker導入支援
    • ETLツール構築支援
      (TROCCO トロッコ)

    セキュリティ

    • サイバーセキュリティソリューション
    • セキュリティアセスメント for AI Agent
    • Chrome Enterprise Premium
      導入支援
    • ネットワーク設計・構築支援/
      Wafcharm導入支援
    • クラウドセキュリティ導入・運用支援
      (Wiz ウィズ)

    生成AI

    • 生成AI活用支援
    • Gemini Enterprise導入・活用支援
    • AIエージェント開発
    • Floyo AI導入・運用支援
    • 買い切り型生成AIチャットボットキット
      RAG Accelerator Kit(RAK)
    • GenAI Ops / Langfuse導入支援
    • MCPサーバー開発支援
    • Agent Enterprise
    • COGMA

    Google Cloud認定トレーニング

  • 事例
  • 業界別
    • 製造
    • 流通・小売
    • メディア・エンタメ
    • 金融・保険
    • 自治体
    • 教育機関
  • セミナー
  • コラム
  • 会社情報
    • 会社概要
    • 代表挨拶
    • 沿革
    • アクセス
    • ビジョン・ミッション・バリュー + コアマインド
    • 受賞歴・認定歴
    • 書籍
    • メンバー
    • プレスキット
    • 利用規約
    • プライバシーポリシー
    • 採用情報
お役立ち資料
お問い合わせ
お役立ち資料
お問い合わせ
  1. TOP
  2. コラム

コラム

【速報】Google I/O 2026!AIエージェント時代に向けた主要発表を整理
  • IT・トレンド
  • Google Cloud

【速報】Google I/O 2026!AIエージェント時代に向けた主要発表を整理

※この記事は迅速な情報提供を重視し、速報として掲載しております。もし記事内に誤りがございましたら、後日訂正いたします。 こんにちは。クラウドエースのラリオスです。 先月の「Google Cloud Next '26」の興奮も冷めやらぬ中、ついに今年も「Google I/O 2026」が開催されました。米国マウンテンビューのショアライン(Shoreline)の会場は、世界中からの熱気に包まれていました。 https://io.google/2026/ この1年を振り返ると、AIの進化と実装がこれまで以上の速さで進んだ期間だったと感じます。 基調講演の冒頭でスンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)CEOも、この流れを"Hyper Progress"と表現し、Googleがこの変化の中で手応えを深めていることを語っていました。 Googleが「AI first(AI最優先)」の企業へと舵を切ってから、今年でちょうど10年。私たちが普段何気なく使っている検索やアプリの裏側では、非常に大きな変化が起きています。 例えば、Googleのサービス全体で処理されるデータの基本単位(トークン)は、なんと毎月0.32京トークンという、驚くべき規模にまで膨れ上がっているそうです。また、13もの巨大な製品群が、Geminiをベースに新しい体験へと変わりつつあります。 日常の検索から、スマホでの体験、そして仕事の進め方まで、今回の発表は私たちの生活にどのような変化をもたらすのでしょうか。当日の具体的なデモや発表内容をじっくり紐解いていきたいと思います。 [toc] 桁違いにスケールするGoogle AIの現在地 基調講演の冒頭でピチャイ氏は、まず現在のGoogleが誇るAIの圧倒的な処理規模について、具体的な数値を交えて説明しました。 Googleのサービス全体で処理されるデータの基本単位であるトークンの数は、2年前は月間9.7兆トークンでしたが、昨年のGoogle I/Oでは約480兆トークンに成長し、現在はなんと月間3,200兆トークン(0.32京トークン)にまで達しているそうです。 この桁違いの需要を支えるように、毎月850万人以上の開発者がGoogleのモデルを使って新しいアプリや体験を構築しており、モデルAPIは過去12ヶ月で毎分約190億トークンを処理しています。さらに、1兆トークン以上を処理する大口の顧客は375社を超えているとのことです。 さらに、製品ごとの成長も目を見張るものがあります。Googleでは現在、10億人以上のユーザーを抱える製品が13個あり、そのうち5つの製品はなんと30億人以上のユーザーに使われています。 中でも検索に導入された「AI Overview」は月間25億人以上のユーザーに利用されており、昨年登場して検索体験を大きく変えた「AI Mode」は、わずか1年で月間10億ユーザーを突破しました。ユーザーは単発の検索ではなく、まるで会話を続けるように深く情報を探索するようになっているそうです。 また、Geminiアプリの月間アクティブユーザー数は、昨年の4億人から現在は9億人を突破し、わずか1年で2倍以上に増えました。一日あたりのリクエスト数は7倍以上に成長しており、アプリ内の画像生成機能ではこれまでに500億枚以上の画像が作られてきた実績が明かされました。 そして、日常の身近なアプリも進化しています。最近ではGoogleマップに「Ask Maps」という新機能が追加され、より複雑で長い質問ができるようになりました。デモでは「子供がアヒルの池に落ちてしまい、30分後に結婚式が始まる。歩いて行って新しいドレスを買える場所はどこ?」という切実な質問に対して、的確な場所を案内するシーンが紹介され、AIが日常の困りごとに深く寄り添い始めている様子が伝わってきました。 日常をさらに便利にする新機能「Ask YouTube」と「Docs Live」 続いてピチャイ氏は、会話型AIの技術をさらに2つの製品に広げることを発表しました。 Ask YouTube──動画の中から最適な場面へジャンプ 例えば「バランスバイク(キックバイク)に乗れる3歳の子に、ペダルバイクの乗り方を教えたい」と質問すると、AIが情報を分かりやすく要約し、動画内の最も関連性の高い場面へピンポイントでジャンプさせてくれます。 さらに「ハンドブレーキとペダルブレーキのどちらを買うべき?」といった追加の質問にも文脈を保ったまま答えてくれ、情報を分かりやすい比較表にして提示してくれます。 この機能は現在テストが始まっており、今夏に米国で広く展開される予定です。 Docs Live──声のスピードでドキュメントを仕上げる 2つ目は、声のスピードで作業をこなせる音声機能「Docs Live」です。これまでは、Geminiにドキュメント作成を頼むときもテキストで指示する場面が中心でしたが、Docs Liveでは、頭に浮かんだアイデアを声でそのまま話すだけで、Geminiが残りの作業を進めてくれます。 製品チームによるリアルタイムのデモでは、翌日高校の進路講演会で話をするソフトウェアエンジニアの登壇者が、Docs Liveを使ってスピーチの骨子を作る様子が実演されました。 登壇者が「Googleドライブから自分の履歴書を引っ張ってきて。でも退屈にならないように面白い比喩を交えてほしい」「学校から届いた案内メールから詳細を掴んで、時間や場所をドキュメントのトップに置いて」「比喩は表形式にして、兄から刺激を受けたエピソードを上部に太字で追加して」と、次々に口頭で注文をつけます。 Geminiは音声の指示を受け取りながら、ドキュメントの内容や構成をその場で更新していきました。このDocs Liveは、今夏にProおよびUltraのサブスクライバー向けにロールアウトされ、将来的にはGmailやGoogle Keepにも導入される計画です。 1,850億ドル規模のインフラ投資と、第8世代TPUの圧倒的なパフォーマンス これらの高度なAI機能を世界中で安全かつ安定して稼働させるため、Googleはインフラストラクチャに対して巨額の投資を続けています。 6倍規模に膨らむ設備投資 2022年の年間設備投資額(CapEx)は約310億〜320億ドルでしたが、今年は約6倍の規模となる約1,750億〜1,850億ドルに達する見込みであることが公表されました。 この投資の中核をなすのが、Google独自のカスタムシリコンであるTPU(テンサープロセッシングユニット)です。先日の「Google Cloud Next '26」で発表された第8世代TPUは、トレーニング用の「TPU 8t」と推論用の「TPU 8i」という、それぞれ専用のアーキテクチャを持つデュアルチップアプローチが採用されています。 トレーニング用「TPU 8t」──前世代比3倍の計算能力 大型モデルの事前トレーニングに最適化されたTPU 8tは、前世代の約3倍という圧倒的な計算能力を誇ります。 さらに「JAX」や「Pathways」といったGoogle独自のインフラ技術により、単一の大規模データセンターの限界に縛られることなく、複数のデータセンターにまたがって、100万以上のTPUを1つの学習クラスターのように扱えるようになりました。これにより、これまでは数ヶ月かかっていた巨大なモデルの構築を、わずか数週間へと短縮することに成功しているそうです。 推論用「TPU 8i」──毎秒1,500トークンの驚異的な速度 一方、推論に特化したTPU 8iは、ユーザーへの応答速度(レイテンシ)を徹底的に突き詰めて設計されています。 ステージ上では、開発中の次期フラッシュモデルをTPU 8i上で動かし、定番の「Chrome Dino風ゲーム」をゼロからコード生成させるリアルタイムデモが行われました。指示を入力して実行ボタンを押した瞬間、画面右上には毎秒約 1,500トークンという驚異的な生成速度が表示され、またたく間にプレイ可能なゲームが完成しました。要求をテキストで書き終えるよりも速いスピードでゲームが立ち上がる様子からは、新しいチップがもたらす圧倒的な快適さが如実に伝わってきました。 また、性能の向上だけでなく、サステナビリティへの配慮も忘れていません。どちらのチップもエネルギー効率が大幅に向上しており、ワットあたり最大2倍のパフォーマンス向上(performance-per-watt)を達成しているとのことです。 ここで重要なのは、Googleが単に高性能なモデルだけを競っているわけではないという点です。ピチャイ氏は、GoogleのAI戦略を「フルスタックでのAIイノベーション」と表現しました。TPUのようなカスタムシリコン、セキュアなインフラ、DeepMindの研究とGeminiモデル、そして検索や Workspace、Androidなど数十億人が使う製品までを一気通貫で持っていることが、Googleの大きな強みになっています。 世界をシミュレートする「Gemini Omni」がもたらす映像表現の地平線 インフラの進化に続いて登壇したのは、Google DeepMindを率いるデミス・ハサビス(Demis Hassabis)氏です。 デミス氏は、AIが単にテキストを予測する段階から、私たちの代わりに計画を立てて行動する「エージェント」の段階へと大きく躍進している現状を語りました。さらに、今回の発表が人間の知能に匹敵する「AGI(人工汎用知能)」に向けた重要なステップであることを示しました。 そのAGIに向けた重要なステップとして紹介されたのが、現実世界を理解し擬似的に再現する「世界モデル(World Model)」という概念です。これは、次世代のAIアシスタントの開発やロボットの訓練において、極めて重要な土台になります。 そして今回、あらゆる入力から新しい表現を生み出すことを目指す新しいモデルファミリー「Gemini Omni」が発表されました。まずは動画生成から始まり、Geminiの知性と、Veo、Genie、Nano Bananaなどの生成メディアモデルの技術を組み合わせることで、世界理解、マルチモーダル性、対話的な編集能力を大きく高めるものだと説明されました。 クレイアニメから現実の加工まで、物理法則を再現する生成力 Gemini Omniの最大の特徴は、運動エネルギーや重力、流体力学といった「直感的な物理法則」をよりよく理解し、リアルな映像生成につなげる点にあります。これまでのAIシステムでは表現が難しかった、リアルな物体の動きや変化を映像として描き出すことができるようになりました。 ステージ上では、非常に興味深いデモが紹介されました。例えば「タンパク質の折りたたみの仕組みを説明するクレイアニメを作って」というシンプルな指示を出すと、アミノ酸の鎖がアルファヘリックスやベータシートといった構造へと立体的に折りたたまれていく複雑な科学のプロセスが、まるで本物の粘土細工のコマ撮りアニメーションのような美しい映像として生成されました。高度な世界知識と推論能力が備わっているからこそ、これほど正確で分かりやすい映像が作れるのだと感じます。 さらに、クリエイティブな作業は一度の指示だけで終わることはありません。Gemini Omniでは、対話的な言葉を使って、生成された映像を何度も自然に編集していくことができます。 また、自分が撮影したオリジナルの動画をアップロードして、その内容をベースに新しい現実を付け加えることも可能です。デモビデオでは、アーティストのSasha(サーシャ)氏が自身の自撮り動画と参考となるビジュアルを読み込ませ、カメラの角度を360度に切り替えたり、周囲の環境やスタイルを全く新しい世界観へとモーフィング(変形)させたりする様子が実演されました。人物の動きの物理的な特徴やソウル(魂)を損なうことなく、背景に美しいエフェクトが違和感なくレイヤー(積層)されていく描写は、映像制作のプロセスを大きく変える可能性を感じさせます。 Gemini Omniは、まず動画生成からスタートしますが、将来的にはさまざまな入力をもとに、より幅広い形式の出力へ広げていくことを目指しています。その第一歩として、軽量で高速な「Gemini Omni Flash」が、GeminiアプリやGoogle Flowなどで提供開始されました。APIの提供も今後予定されており、より高性能な「Omni Pro」についても、後日詳細が明らかにされる見込みです。 AI時代の信頼性を担保するウォーターマーク技術の拡大 デミス氏の発表の後、再びステージに戻ったピチャイ氏は、生成AIの技術が進化する一方で、情報の透明性を確保することがこれまで以上に重要になっていると語りました。 調査によると、精巧に作られたディープフェイク動画を人間が正しく見分けられる確率は、わずか4分の1程度にとどまるそうです。こうした課題に対し、Googleは3年前に人間の目には見えないデジタルウォーターマーク技術である「SynthID」を立ち上げました。これまでに1,000億以上の画像や動画、そして60,000年分に相当する音声にウォーターマークを適用してきた実績が明かされました。 さらに今回は、情報の出所を検証する「Content Credentials(コンテンツ認証情報)」の仕組みを各種製品へ導入していくことが発表されました。これにより、コンテンツのオリジン(出所)がカメラで撮影されたものか、あるいはAIで生成されたものか、さらに生成AIツールによる編集が加えられたかどうかが一目で分かるようになります。デモでは、Pixelカメラで撮影され、Googleフォトで編集されたという具体的な履歴が画面に示されました。 この検証機能の展開スケジュールも明かされました。SynthIDの検証機能はGoogle検索に本日から、Chromeには今後数週間で拡大されます。また、Content CredentialsもGeminiアプリから導入が始まり、今後数か月で検索やChromeにも広がる予定です。 ピチャイ氏は、こうした取り組みは業界全体の協力があって初めて効果を発揮すると指摘しました。昨年提携したNVIDIA(エヌビディア)に続き、新たにOpenAI、Kakao(カカオ)、ElevenLabs(イレブンラボ)がSynthIDの採用に同意したことが発表され、業界横断の連携による透明性の標準化が進んでいることが示されました。 圧倒的なスピードと実用性を備えた最新モデル「Gemini 3.5 Flash」 続いて発表されたのが、最新のモデルシリーズの第一弾となる「Gemini 3.5 Flash」です。 前世代上位モデルを超えるベンチマーク性能 数ヶ月前にローンチされたGemini3ファミリーは多くの開発者に受け入れられてきましたが、Googleはさらにタスクの実行力や現実のワークフローへの適応力を高めるための改良を続けてきました。Gemini 3.5 Flashは、前世代の上位モデルである「Gemini 3.1 Pro」と比較しても、ほぼすべての性能評価指標(ベンチマーク)で向上を記録しているそうです。特にコーディング能力の進化が著しく、実際の業務において経済的価値の高いタスクを評価するベンチマーク「GDP Val」では、非常に大きな性能の跳ね上がりを示しました。 他社比4倍の処理スピード また、知性の高さだけでなく、圧倒的な処理スピードを兼ね備えている点も大きな特徴です。他の主要なフロンティアモデルと比較した場合、出力スピードは4倍に達し、ピチャイ氏は「全く異なる次元の快適さ(in a whole league of its own)」と表現しました。 Antigravityでの活用で加速するトークン処理量 この優れた処理能力とコスト効率は、すでにGoogleの社内開発において大きな成果を上げています。Googleでは、開発者向けのシステムである「Antigravity」に Gemini 3.5 Flashを組み込んで活用しています。 社内でのトークン処理数は、今年3月時点では1日あたり0.5兆トークンでしたが、わずか数週間のうちに倍増を繰り返し、現在は1日あたり3兆トークンを超える規模に達しているそうです。 この強力な改善サイクルを経て磨かれたGemini 3.5 Flashは、本日より各種製品やAPIを通じてすべてのユーザーに提供が開始されます。また、上位モデルである「Gemini 3.5 Pro」についても社内でのテストで素晴らしい成果が出ており、来月には提供が開始される予定であることが公表されました。 エージェントファーストへ進化した「Antigravity 2.0」 続いて、開発チームのヴァルン(Varun)氏が登壇し、Gemini 3.5 Flashのパワーを最大限に引き出す開発者向けのアップデートを紹介しました。 昨年11月にローンチされたAntigravityは、すでに世界中の多くの開発者に利用されています。今回はそのエコシステムを大きく拡張し、フルCLI体験やAntigravity SDK、ライブ音声入力に対応したネイティブな音声サポートのほか、Android、Firebase、Google AI Studioとの統合が本日より提供されることが発表されました。 正式に独立したスタンドアロンデスクトップアプリケーションとして提供される「Antigravity 2.0」は、その設計思想から大きく変わっています。「エージェントファースト」を掲げて全面的に再設計された画面は、エージェントとの会話、エージェントが生成した成果物(アーティファクト)、そして複数のエージェントを連携させるマルチエージェントオーケストレーションに特化した構成になっています。 さらに、エージェントが現実世界のタスクを自律的にこなすための基本的な構成要素として、新たに「サブエージェント(subagents)」「フック(hooks)」「非同期タスク管理(asynchronous task management)」といった強力な枠組みが導入されました。 デモが示した可能性|自律エージェントによるOS構築とバグ修正 ステージ上では、この自律エージェントとGemini 3.5 Flashの組み合わせがどれほどの可能性を持つのか、非常に難易度の高い実験的なプロジェクトの成果が実演されました。 93のサブエージェントが並列稼働してOSを自律構築 それは、何も入っていない空のプロジェクトから、動作する「オペレーティングシステム(OS)」の中核をゼロから自律的に構築するという試みです。 結果は驚くべきものでした。Antigravityのエージェントは、与えられた課題を自律的に分析して一連の計画に分解し、約12時間の作業のなかで93のサブエージェントが並列に動き、15,000回以上のモデルリクエストと26億トークンを処理することで、OSの中核機能を構築したと説明されました。しかも、Gemini 3.5 Flashの優れたコスト効率により、これだけの処理を行いながら消費されたAPIクレジットは1,000ドル未満に抑えられたことが明かされました。 そして、ヴァルン氏は、実際にエージェントが構築したOSのターミナル画面を立ち上げる実演を行いました。コマンドを入力すると、Antigravityのロゴをあしらった蒸気機関車が画面を通り抜ける、遊び心のあるユーティリティ「sl」が正常に動作しました。 対話型パネルでリアルタイムにバグを修正 続けて名作ゲーム「Doom」を起動しようとすると、必要なキーボードドライバーが足りずにエラーになってしまいます。 ここでヴァルン氏は、Antigravity 2.0の対話型パネルを使い、エージェントへ不足しているドライバーの追加と修正を指示しました。エージェントは自動的に必要なリサーチを行い、必要なコードを生成してシステムを修正しました。 再びターミナルで実行コマンドを入力すると、見事にゲームが滑らかに起動し、自律的に構築されたOSの上で本当にプレイできる様子が示され、会場からは大きな拍手が沸き起こりました。 このサブエージェントチームワーク機能は、まずは早期リサーチプレビューとして提供されます。さらに、Antigravityの環境内では、Gemini 3.5 Flashが通常比で12倍にまで高速化される特別な最適化が施されていることも明かされました。新しいAntigravity 2.0は、本日より全世界で提供が開始されます。 企業のコストを劇的に抑える「Gemini 3.5 Flash」の経済価値 ヴァルン氏による驚異的なデモを受けて、再びマイクを握ったピチャイ氏は、Gemini 3.5 Flashがもたらす圧倒的なコストパフォーマンスについて、具体的な試算を交えて説明しました。 Gemini 3.5 Flashは、最先端モデルに匹敵する高い性能を提供しながら、価格は同等の他社モデルの半分未満に抑えられています。ピチャイ氏は、多くの企業がAI予算の逼迫に悩まされている現状に触れ、Gemini 3.5 Flashを賢く組み合わせることで、巨額のコスト削減が可能になると語りました。 例えば、Google Cloudを利用するトップ企業では、現在1日あたり約1兆トークンものデータを処理しています。もし、これらの企業がワークロード(業務負荷)の80%を、Gemini 3.5 Flashと上位の最先端モデルを組み合わせた構成へ移行した場合、なんと年間で10億ドル(約1,500億円)以上のコストを節約できる計算になるそうです。企業にとって、これほど大きな原資を別の成長投資に回せる意味は極めて大きいと言えます。 本日より各種製品やAPIを通じて提供が始まっているGemini 3.5 Flashに加え、さらに上位モデルである「Gemini 3.5 Pro」も社内で素晴らしい進化を遂げており、来月にはユーザーの元へ届けられる予定であることが改めて強調されました。 24時間バックグラウンドで働く個人用AIエージェント「Gemini Spark」 そして、今回の基調講演におけるもう一つの大きな柱として発表されたのが、個人向けAIエージェントの「Gemini Spark」です。 Gemini Sparkは、これまでの「質問に答えるチャットAI」とは異なり、ユーザーの指示と管理のもとで、デジタルライフにおける複雑なタスクを自律的に実行してくれるパーソナルAIエージェントです。Google Cloud上の専用のバーチャルマシン(仮想マシン)で駆動するため、24時間365日、バックグラウンドで常に働き続けてくれます。指示を出した後は、パソコンの画面を閉じてもタスクが止まることはありません。 Gemini 3.5とAntigravityのハーネス(連携機構)によって支えられているGemini Sparkは、まずはGoogle自身の各種ツールと深く統合され、今後数週間から今夏にかけて、「MCP」という共通の仕組みを通じてサードパーティのツールとも接続できるようになる予定です。 複数アプリをまたいで自律駆動する、驚きのバックグラウンドデモ ここからは、プロダクトチームのジョッシュ(Josh)氏が登壇し、完全にデザインが刷新されたGeminiアプリの画面から、Gemini Sparkが実際にタスクをこなす様子を実演しました。ジョッシュ氏のパソコン画面に表示されたGemini Sparkのダッシュボードには、現在バックグラウンドで進行している複数のタスクが一覧(リスト)で並んでいます。 仕事向けタスク──メール下書きを自律生成 デモでは、まず仕事向けのタスクとして「チーム宛てに、先週のGemini Liveのローンチ成果をまとめたメールの下書きを作って。私の文体を真似るゴーストライター(/ghostwriter)スキルを使って」と指示を出しました。Gemini Sparkは即座に、Googleドキュメントやメール、チャットをまたいで情報を収集し、ツールを呼び出し始めました。 プライベートの複雑なタスク──町内会イベントをまるごと管理 続いて、プライベートの複雑なタスクとして「町内会の交流イベントの計画」を依頼します。指示の内容は「招待状の返信(RSVP)をまとめ、誰が何を持ってくるかのリストを作り、まだサインアップしていない隣人にはリマインダー(再確認)のメールを送って」という、手作業では非常に手間のかかるタスクです。 Gemini Sparkは、ステップバイステップ(段階的)で自律的にタスクを分解して実行していきました。画面上には、自動生成されたGoogleスプレッドシートの「ライブRSVPトラッカー」が表示されます。これはGmailと直接連動しているため、隣人のエル・トンプソン(El Thompson)氏から出席の返信メールが届くと、シートのステータスがリアルタイムで自動的に「確定」へと更新されました。 さらに、案内用のプレゼン資料をGoogleスライドで自動作成するだけでなく、Googleドライブ内に保存されていた地域の自治会(ホームアソシエーション)の規約ファイルを自律的に読み込み、「金曜日の午後までは機材の設営が禁止されている」という見落としがちなルールを自動で検出して、資料内に注意書きとして反映させる賢さも見せました。 スマホでの音声一括指示と、今後の展開・新料金プラン スマホから3つのタスクを音声で一気に依頼 Gemini Sparkの実力は、外出先のスマートフォン(スマホ)からでも発揮されます。ジョッシュ氏は、スマホの画面に向かって、頭に浮かんだ3つの異なるタスクを音声で一気に投げかけました。 「スンダー氏との今後のミーティングをすべて見つけて、見落とさないようにホットピンク(鮮やかなピンク色)に変えて」「昨夜会った新しい隣人のジョン(John)の家族に、町内会の交流イベントの招待メールを書いて」「妻と私のために、子供たちの学期末までにやるべきことのリストを締め切りと優先度順にまとめたドキュメントを作って」これほどバラバラで複雑な指示であっても、Gemini Sparkは音声のスピードのまま文脈を捉え、裏側で個別のタスクへと自動的に分解しました。ユーザーは指示を出した瞬間、スマホをポケットにしまって自分の日常に戻ることができます。 展開スケジュールと新料金プラン この新しいタイプのサポートをいち早く届けるため、Googleは今週から信頼できるテスター向けに展開を開始し、来週には米国の「Google AI Ultra」サブスクライバー(有料会員)向けにベータ版を導入することを発表しました。 これに伴い、月額100ドルの新しいUltraプランが新設されるほか、最上位のUltraプランの価格が、月額250ドルから200ドルへと値下げされることも公表されました。 また、Google Workspaceのビジネス顧客向けにはGeminiアプリ内でSparkのプレビュー提供が予定されており、Gemini Enterpriseアプリでも顧客向けに順次展開される予定です。さらに今夏後半には、Gemini SparkがChromeブラウザ内でも直接動作するようになり、Web上のタスクを私たちの代わりにこなすエージェントとして機能するようになります。 正式な提供時期は今年後半となりますが、スマートフォン上でこれらのエージェントの専用のホームベースとなる新機能「Android Halo(アンドロイド・ハロ)」が導入されるロードマップも明かされ、会場は大きな興奮に包まれました。 「検索は徹頭徹尾、AI検索へ」|インテリジェンス検索ボックスの誕生 Gemini Sparkの熱狂に続き、Google Searchを率いるリズ・リード(Liz Reid)氏が登壇し、Googleの核である検索の未来について語りました。 現在、月間ユーザー数が10億人を突破している「AI Mode」は、本日よりGemini 3.5 Flashをデフォルトモデルとして利用するようになります。ユーザーの検索行動は単発の調べものから、詳細で具体的な条件を伴う会話型へと変化しており、AI Modeのクエリ(検索要求)数は四半期ごとに倍増するほどの急成長を遂げているそうです。 この変化に対応するため、Googleは検索窓そのものをAIによって完全に再設計した「インテリジェンス検索ボックス(Intelligent Search Box)」を発表しました。新しい検索ボックスは、ユーザーが文字を入力し始めると、単純な予測変換(オートコンプリート)を超えて、AI が質問のニュアンスを補完するような洗練されたサジェスト(提案)を提示してくれます。テキストだけでなく、画像、ファイル、動画などさまざまな形式を組み合わせたマルチモーダルな質問をこの一つの窓から投げかけることが可能です。 アイコンである検索窓のデビュー以来、極めて大きなアップグレードとなるこのインテリジェンス検索ボックスは、AI Modeが利用できる国と言語を対象に、本日より順次展開が開始されます。あわせて、AI OverviewsからAI Modeへ自然に移り、調べものの文脈を保ったまま追加の質問を続けられるシームレスな体験も発表され、本日よりデスクトップおよびモバイルの双方で世界中へ展開が始まります。 バックグラウンドで情報を監視する「検索エージェント」 リズ氏はさらに、検索のなかに自律型エージェントの仕組みを取り入れた「検索エージェント(情報エージェント)」を、今夏よりまずGoogle AI ProユーザーおよびUltra加入者向けに導入することを明らかにしました。 これは、ユーザーが指定した複雑な条件の調査タスクを、AIがバックグラウンドで24時間365日にわたり継続して実行してくれる機能です。デモでは、バイオテクノロジー関連の株式において、キャッシュフローや負債に関する特定の条件を設定する様子が紹介されました。検索エージェントはリアルタイムの金融データと接続し、市場が動いた瞬間に要約されたインテリジェントな通知をユーザーに届けます。この通知には、信頼できるニュースサイトやソーシャルメディア、検証済みのリサーチプラットフォームへのハイパーリンクも添えられており、情報の出所に素早くアクセスできるよう配慮されています。 質問に合わせて画面をその場でコード生成する「Generative UI」 続いて登壇した検索チームのロビー(Robbie)氏は、Gemini 3.5 FlashとAntigravityのエージェント型コーディング技術を検索へ直接組み込んだ、「Generative UI(ジェネレーティブUI)」のデモを実演しました。 これは、ユーザーが投げかけた複雑な質問に対し、AIが最適な回答フォーマット(レイアウトや双方向の部品など)をその場でゼロからコード生成し、安全なコンテナ環境で即座に実行・表示する技術です。 宇宙物理学を学ぶ大学生を想定したデモでは、まず「ブラックホールは時空にどう影響を与えるか」と検索すると、視覚的に理解を助けるインタラクティブな解説画面がその場で構築されました。さらに続けて「二つのブラックホールが互いの周りを回るバイナリ ブラックホールが、どのように重力波を生み出すか見せて」と追加で質問を重ねます。 すると検索画面のなかに、軌道離隔(orbital separation)や質量比(mass ratio)といったパラメーターをユーザー自身が手動で調整できる、独自の「インタラクティブビジュアル(双方向のシミュレーター部品)」がリアルタイムにコード生成されて出現しました。ユーザーがパラメーターを操作すると、波のパターンが変化し、小さなブラックホールが大きなブラックホールへ吸い込まれていく様子がリアルタイムに計算されて画面上でアニメーション描画されます。画面下部には、より深い学習へ進むための「LIGO(ライゴ)の発見論文」への直接のリンクなども提示されていました。 このAntigravityの技術を活用したGenerative UIは、今夏より検索を通じてすべてのユーザーに無料で提供される予定です。 ツールやカレンダーと連動する「週末プランナー」ミニアプリの動的構築 ロビー氏はさらに、単発の質問を超えて、ユーザーが何度も再利用できる継続的な管理ツール(ミニアプリやダッシュボード)を検索のなかで丸ごと構築するデモを行いました。 実演されたのは、毎週木曜日になると頭を悩ませるという「週末の家族の予定表(weekend planner)」の構築です。検索エージェントへ予定の作成を指示すると、検索画面の裏側でAIがどのようなコンポーネント(表示部品)を組み立てるべきか思考するステップがリアルタイムに表示され、数秒で美しい専用のスケジュール管理画面がコード生成されました。 この機能は、ユーザーの許可のもとでGmail、Googleフォト、Googleカレンダーと安全に接続されており、個人に最適化されたサジェストを行います。「2人の子供が動物好きであること」や「上の子がチェスを習い始めていること」といった家族の文脈(パーソナルインテリジェンス)を自動で汲み取り、おすすめの動物園やイベントをカレンダーの空き時間や移動時間、天気予報を考慮して綺麗に配置してくれます。 ロビー氏が口頭で「金曜日の夜にデートナイトの予定を追加して、マップの表示を一番上へ移動させて」と画面に指示を与えると、またたく間に画面のレイアウトとスケジュールが書き換わり、金曜日の夜のタブや最適なレストランのサジェスト、保存されたマップが最上部に再構成されました。 完成した予定表アプリは、リンクを通じて妻のダニエル(Danielle)氏のスマートフォンへ簡単に共有でき、承認を得たスケジュールはワンクリックで家族全員の Google カレンダーへ自動で一括登録されました。 この永続的なカスタム体験を構築できる機能は、米国のGoogleAI ProユーザーおよびUltra加入者向けに、今夏より今後数ヶ月をかけて順次展開される予定であることが公表されました。 エージェントeコマースを支えるUCP、AP2、Universal Cart リズ・リード氏に続いて登壇したのは、Ads&Commerce領域の責任者であるヴィディア(Vidya)氏です。現在、Google上では毎日10億回以上のショッピングが日常的に行われています。その基盤となっているのが、世界で最も包括的な商品カタログである「Shopping Graph(ショッピンググラフ)」です。ここには現在、常に更新され続ける600億以上の商品情報が登録されています。 ヴィディア氏は、この膨大なデータベースと先進的なGeminiモデルを組み合わせることで実現する、新しい「エージェントeコマース」の世界について説明しました。AIエージェントが私たちの代わりに安全に、そして賢く買い物ができる未来に向けて、Googleは3つの重要な構成要素を提示しました。 Universal Commerce Protocol(UCP)──eコマースの共通言語 1つ目は、エージェントやシステムの間で共通の言語となるオープンソースの標準規格「Universal Commerce Protocol(UCP、ユニバーサルコマースプロトコル)」です。これは、ウェブにおける「HTTP」のような役割を果たすもので、商品の調査から決済、配送や購入後の体験に至るまでをシームレスにつなぎます。 すでにAmazon、Meta、Microsoft、Salesforce、Stripeといった業界の主要企業がこのオープン標準の推進に参画しており、今後はホテル予約やローカルのフードデリバリー、YouTubeなどの製品にも拡大されます。また、今後数ヶ月以内にはカナダ、オーストラリア、英国(UK)などの地域にもこのプロトコルを活用した体験が広がる予定です。 Agent Payments Protocol(AP2)──エージェントによる安全な決済代行 2つ目は、ユーザーの管理のもとでエージェントが安全に決済を代行するための仕組み「Agent Payments Protocol(AP2、エージェントペイメンツプロトコル)」です。 エージェントが勝手に高額な買い物をしないかという懸念に対し、AP2 では厳格なガードレールを設定できるようにしています。購入してよい特定のブランドや商品、予算の上限をあらかじめエージェントに指定しておくことで、条件を満たしたときのみ自動で購入が進みます。プライバシー保護技術や改ざん防止のデジタルマンデート(デジタルな記録)により、データや決済情報は強固に守られ、返品時にも加盟店と同じ記録を確認できる透明な仕組みが作られています。このAP2は、今後数ヶ月の間に、まずはGemini SparkからGoogle製品へ順次導入される予定です。 Universal Cart──複数サービスをまたぐインテリジェントな買い物かご そして3つ目の構成要素として発表されたのが、Geminiモデルの推論能力を組み込んだインテリジェントな買い物かご「Universal Cart(ユニバーサルカート)」です。このカートは、特定のサイト内だけでなく、複数の加盟店やサービスをまたいで機能します。 ユーザーはGoogle検索で商品を探しているときも、Geminiとチャットしているときも、YouTubeの動画を見ているときも、Gmailでメールを確認しているときも、気になった商品をその場で Universal Cartに追加できます。追加された商品については、カートがバックグラウンドで価格や在庫の変化を追跡し、セール情報や値下がり、再入荷のタイミングを知らせてくれます。 さらに面白いのは、AIによって購入のトラブルを未然に防いでくれる点です。デモでは、初めて自作PCを組み立てるユーザーが、評価の高いマザーボードをカートに入れたケースが紹介されました。すでにプロセッサを選んでいたユーザーに対し、カートは「そのプロセッサを載せるには、ソケットの形状が異なる別のマザーボードが必要です」という不一致を自律的に検出し、最適な代替品を提案しました。 また、Google Payなどの機能を備えたGoogleウォレットと連動することで、ユーザーが所有している複数のクレジットカードの隠れた特典やポイント、割引などを自動で追跡し、最もお得になる特典を自動で適用してくれます。 決済時は、Google Payを使って数タップでGoogle上から直接購入を完了させることも、カートの内容をそのまま小売店のサイトへ転送して手続きを続けることも可能です。このUniversal Cart機能は、今夏よりまずは米国の検索およびGeminiアプリからロールアウトが開始され、その後にYouTubeやGmailへと続いていく計画が明かされました。 新デザイン「Neural Expressive」で生まれ変わるGeminiアプリ eコマースに続くステージでは、Geminiアプリの劇的な進化が明かされました。現在、Geminiアプリの月間ユーザー数は9億人を突破しており、その成長を加速させるため、アプリの体験が根本から再設計されたことが発表されました。 今回導入されたのが、「Neural Expressive(ニューラルエクスプレッシブ)」と呼ばれる新しいデザイン言語です。流動的なアニメーションや鮮やかな色彩、新しいタイポグラフィ、あるいはアプリ全体に心地よい触覚フィードバック(ボタンを押したときの振動など)が取り入れられています。 Geminiの応答も、これまでのように長いテキストをそのまま表示するだけではなく、質問の内容に合わせて、画像やタイムライン、動画などを組み合わせた見やすい画面として表示されるようになります。ダークモードとライトモードのどちらにも対応し、より直感的に情報をたどれる体験へと進化しています。この新しいGeminiアプリは、Android、iOS、Web向けに、本日より世界中で順次展開が始まります。 さらに、リアルタイム音声会話機能である「Gemini Live」もアップデートされ、今後数ヶ月をかけて、さまざまな地域の方言やアクセントを選択できるようになるロードマップが示されました。 有料プラン向けの「Gemini Omni」統合と、朝の味方「The Daily Brief」 デザインの大刷新をベースに、米国のGoogle AI Plus、Pro、Ultraの加入者向けには、さらに強力な機能が本日から追加されます。 Gemini Omniのアプリ統合──あらゆる素材からクリエイティブ映像を生成 1つ目は、新モデル「Gemini Omni」のアプリへの統合です。テキスト、画像、動画のあらゆる組み合わせからクリエイティブな映像を直感的に作成・編集できるようになります。デモでは、アーティストが自撮り動画にエフェクトを滑らかに融合させ、人物の動きや物理的な特徴を損なわずに全く新しい映像へと仕上げていくプロセスが紹介されました。 The Daily Brief──朝のパーソナルダイジェストを自律生成 2つ目は、日々忙しい現代人のために新しく用意された自律型の機能「The Daily Brief(デイリーブリーフ)」です。朝一番にアプリを開くと、あなたの受信トレイ、カレンダー、タスクを自律的に横断し、その日の最も重要な情報を美しく整理したパーソナル ダイジェストを生成してくれます。 単なるスケジュールの要約にとどまらず、旅行の予定やリマインダーなど、忘れがちなタスクをトピックごとに分類し、その場で次に取るべきアクションまでアシストしてくれます。このThe Daily Briefは、まずは米国の有料プラン向けに本日から展開が始まります。 macOS版アプリと音声機能の強化 さらにデモでは、先月リリースされたmacOS版の専用アプリについても、今夏に大きなアップデートが来ることが予告されました。 旅行の際に必要となる、ペットの犬のワクチンやアレルギーに関する複数の書類(PDFやインボイス画像など)をFinder上で選択し、ファンクションキーを長押しして口頭で指示を出すデモが行われました。「Louis CinnamonとHankという2匹の犬を今週の木曜日、いや金曜日から預けたい。彼らのアレルギーや最近のワクチン情報をインラインの表形式に整理して、メールの文章をフレンドリーにして」と話しかけるだけで、Geminiがマルチモーダルに中身を理解し、言い間違いを自動で修正しながら、瞬時に綺麗な表付きのメール文を再構成しました。こうした強力な音声機能やGemini Sparkへのアクセスが、今夏追加される予定です。 セクションの最後には、AIの可能性を形にした一例として、韓国からの移住者であるHolly(ホリー)氏の事例ビデオが紹介されました。ホリー氏は自身のレストラン運営でのGemini 活用をきっかけに、技術に不慣れな小規模ビジネスと求職者を繋ぐ雇用プラットフォーム「Work Onward(ワークオンワード)」を立ち上げました。ニューヨーク市で13,000人以上に利用されているこのプラットフォームの歩みは、AIが単なる便利な道具を超えて、人々の尊厳(dignity)や社会課題に深く関わり始めている例として紹介されました。 表現の枠を超えるクリエイティブAI「Google Pics」と「Stitch」 アプリの大刷新に続き、クリエイティブ領域におけるアップデートが紹介されました。技術が人間の創造性を支えるキャンバスとなり、アイデアから形にするまでの距離を縮めるための進化です。 Google Pics──Workspaceに統合された画像作成・編集ツール まず、Google Workspaceの新しいツールとして、画像作成・編集ツールの「Google Pics」が発表されました。パーティーのチラシやイラスト入りの解説資料(インフォグラフィック)を簡単に作れるツールです。画像の中のイラストや文字を個別のパーツとして扱えるため、特定の場所を消したり、大きさを変えたり、新しく文字を追加したりできます。 作成した画像には自動でSynthIDの透かしが入り、現在は一部のテスター向けに提供されています。今夏には米国の有料プラン(Google AI Pro/Ultra)の加入者や、ビジネス向けのユーザーに広く展開される予定です。 Stitch──ラフなアイデアからアプリ画面を即座にデザイン 次に、ラフなアイデアからアプリやウェブの画面設計ができるデザインツール「Stitch」のアップデートが発表されました。短い指示を一つ入力するだけで画面のデザインがその場で切り替わり、そこからさらに「見出しの文字を大きくして」「メニューのおすすめメニューを目立たせて」といった細かな要望を、音声やテキストを使ってリアルタイムに調整できます。 デザインが完成した後は、プログラム用のコードとして書き出したり、そのままウェブサイトを公開したりすることも可能です。この機能は、本日より世界中で提供が開始されます。 映像と音楽の制作を革新する「Google Flow」の進化 続いて、映像や音楽の制作を支援するプラットフォーム「Google Flow」および「Google Flow Music」の劇的な進化が明かされました。本日より「Gemini Omni」の統合や、新しいエージェント、カスタムツールの導入が行われます。 Google Flow──映像制作にGemini Omniとエージェントを統合 映像制作のデモでは、撮影した元の映像にGemini Omniを組み合わせ、人物の動きや演技をそのまま保ちながら、周囲の背景や映像エフェクトを全く別の世界観へと滑らかに変形させる様子が実演されました。 さらに新しく導入された「Flowエージェント」は、一度の指示で複数の作業を同時にこなします。デモでは、1枚の写真から最適なカメラアングルをAIが自動で分析し、16パターンの異なる動画を一瞬で作り出す効率性が示されました。自分だけの制作ツールを自作できる「Flow Tools」機能も追加され、本日より利用できます。 Flow Music──シンプルな演奏を本格的な楽曲へ 音楽制作をサポートする「Flow Music」でも、表現の幅がさらに広がりました。ステージでは、録音したシンプルなピアノの演奏をもとに「R&B調にして、女性ボーカルのイメージを追加して」と指示を出すデモが行われました。バンドの試作音源としてメンバーと共有し、次の録音の方向性を決めるのに十分なクオリティの楽曲がその場で生成されました。 これら Google Flow と Flow Music の新機能は、本日より米国の有料プラン(Google AI Pro/Ultra)の加入者向けに提供が始まります。 身につけるAIへ進化する「Android XR」とスマートグラス eコマースやアプリの刷新に続き、ステージではAI技術を現実世界へと拡張するハードウェアの最新動向が紹介されました。XR・デバイス部門を率いるシャラム(Sharam)氏が登壇し、新しいプラットフォーム「Android XR」について説明しました。 Android XRは、GoogleがSamsung(サムスン)と共同で構築し、Qualcomm(クアルコム)のSnapdragon(スナップドラゴン)向けに最適化したプラットフォームです。このハードウェアにGeminiを組み合わせることで、周囲の状況に合わせたサポートをハンズフリーで受けられるようになります。 表示付きグラス──視界の中にリアルタイム情報を表示 シャラム氏は、今後の展開として「表示付きグラス(Display glasses)」と「音声グラス(Audio glasses)」という2つのスマートグラスのアプローチを発表しました。 レンズ内に小さなディスプレイを備える表示付きグラスは、視界の中に配車の到着時刻を表示したり、旅行中にリアルタイムで翻訳を表示したりできます。こちらは今後のテスター向けプログラムの拡大が予定されています。 音声グラス──今秋登場、Gentle Monster・Warby Parkerとコラボ 一方、今秋に登場予定なのが音声グラスです。ディスプレイを持たず、Geminiによる音声サポートを耳元で受け取る設計になっています。スマートフォンをポケットから取り出すことなく、音楽の再生、写真や動画の撮影、通話、各種アプリの操作などをこなせます。 この音声グラスは、GoogleとSamsungの共同開発を軸に、Gentle Monster(ジェントルモンスター)やWarby Parker(ワービーパーカー)といったアイウェアブランドのデザインによって進められています。製品は AndroidとiOSの双方のデバイスに対応する予定です。ステージにはSamsungのジェー・キム(Jae Kim)氏が登壇し、メガネとしての美しさとテクノロジーを融合させた最初のコレクションの映像を公開しました。 音声案内からアプリの代理注文までこなす実機デモ 続いて、シャラム氏とデモ担当のニシュタ(Nishtha)氏が実際にスマートグラスを着用し、ステージ上で実機デモを行いました。通常は耳元だけで聞こえるAIの音声を、デモのために会場のスピーカーに出力して実演が進められました。 ニシュタ氏が「先週ジアナと会った場所まで案内して」とメガネに話しかけると、カレンダーや位置情報の履歴から文脈を理解し、「先週のハイキングで行ったレッドウッドグローブ自然保護区へのルートを設定しました。途中でいつものナイトロコールドブリューを注文しますか?」と音声で提案を返します。 ニシュタ氏がこれに同意すると、ポケットに入ったスマートフォンの画面が自動で動き出し、デリバリーアプリの「DoorDash(ドアダッシュ)」をGeminiが自律的に操作し始めました。メニューの選択からオプションの指定までを自動で進め、最後はニシュタ氏が口頭で確認と承認の指示を出すことで、支払いの手続きまで完了させました。 さらに、通知をオフにしていたスマートフォンに届いていたメッセージの確認を求めると、「家族のグループチャットで、今日の19時に夕食を食べる計画が進んでいます」と要約して教えてくれます。そして、そのまま口頭で指示を出すだけで、カレンダーの予定表へ自動的に登録されました。 最後に、会場の観客をバックにした撮影デモが行われました。ニシュタ氏がスマートグラスに向かって写真を撮影し、AIによる画像加工の指示を出すと、内蔵カメラでシャッターが切られました。数秒後、ニシュタ氏が手元に付けたスマートウォッチの画面に、美しく加工された観客席の写真が同期されて表示され、会場から拍手が送られました。 デザイン、エンジニアリング、そしてAIエージェントの技術を融合させた最初のスマートグラスコレクションは、今秋に登場する予定です。 科学の進歩を加速させるAIシミュレーションとセキュリティの盾 基調講演の最後を締めくくるために再び登壇したのは、Google DeepMindのデミス・ハサビス(Demis Hassabis)氏です。デミス氏は、AI 技術がもたらす大きな可能性と同時に、安全性を確保する責任の重要性について語りました。 サイバーセキュリティ──脆弱性を自動検出・修正する「Code Mender」 まず紹介されたのが、サイバーセキュリティ領域における取り組みです。Googleは、開発したセキュリティエージェント「Code Mender」のAPIを、特定の専門家グループに向けてテスト提供し始めたことを発表しました。このツールは、ソフトウェアの深刻な脆弱性を自動的に発見し、修正することを目指しています。 科学研究支援──気象予測から創薬まで広がる「Gemini for Science」 続いて、科学研究の現場を強力に支援する「Gemini for Science」が発表されました。大量の論文の把握や研究目標に応じたプログラムコードの生成、新しい仮説の構築といった日常的な研究タスクを効率化するプロトタイプが動き出しています。 とくに大きな成果を上げているのが、複雑な地球環境を予測するAIシミュレーションの領域です。世界をデジタル上で再現する試みとして「AlphaEarth Foundations」などの研究が進められていますが、中でも気象予測モデルの「WeatherNext」は極めて実用的な成果を残しています。2025年のハリケーンMelissaがジャマイカに上陸する進路予測において、WeatherNextによる迅速で正確な予測は、早期警戒や避難判断を支える実例として紹介されました。 さらに、生物学の領域で世界中の研究者に使われている「AlphaFold」や「Alpha Genome」といったモデルも進化を続けています。Google傘下のIsomorphic Labs(アイソモーフィックラボ)では、AlphaFold由来の技術や独自モデルを活用して分子の相互作用を解析し、がんや免疫領域を中心に新薬候補の開発を進めています。臨床試験に向けた準備も進んでおり、AIが創薬プロセスを大きく加速する可能性が示されています。 まとめ|今回の発表を振り返って 今年のGoogle I/Oは、AIを単独のアプリとして使うだけでなく、検索やスマートフォン、ウェアラブルデバイスなど、普段使っている環境に組み込んでいく方向性がはっきり見えた発表でした。 とくに、Gemini Sparkや検索エージェントのように、ユーザーが細かく操作しなくても裏側でタスクを進めてくれる機能や、Generative UIのようにその場で画面を組み立ててしまう試みが印象的です。 すぐに生活のすべてが変わるわけではありませんが、AIが「質問に答える道具」から「作業を任せる存在」へ移りつつあるのを感じます。(Google Cloud Nextでも、同じような感想を抱きましたが改めて)そして、新機能をただ追いかけるだけでなく、自分の日常のどこを任せると本当に楽になるか、実際に触りながら見極めていきたいです。 ラリオス 川口 Google Cloud認定トレーニング事業の立ち上げに従事し、国内トップクラスのトレーニングパートナーに成長させた。その後、自ら認定トレーナーとなり、さらにエバンジェリストの活動と合わせて、Google Cloudの普及と人材育成を牽引。講義の満足度にも定評があり、2025年に新設されたグローバルなGoogle Cloud Trainer Difference Maker賞を日本で初めて受賞。

2026.05.22

Wiz Cloudとは?クラウドセキュリティを最適化する機能と導入メリット
  • クラウド導入お役立ち
  • Google Cloud

Wiz Cloudとは?クラウドセキュリティを最適化する機能と導入メリット

こんにちは。クラウドエースの井上です。 クラウド環境の利用拡大に伴い、設定ミス、脆弱性、過剰権限、データ露出といったリスクを横断的に把握することの重要性が高まっています。さらに近年は、生成AIやAIサービスの導入が加速する中で、AI関連資産の可視化や学習データの保護など、従来のクラウドセキュリティだけでは対応しにくい領域も広がっています。 こうした複合的な課題に対応するプラットフォームの一つが「Wiz Cloud」です。 Wiz CloudはエージェントレスのAPIベースでクラウド環境を可視化するCNAPP(Cloud Native Application Protection Platform)で、2020年に創業したクラウドセキュリティ企業「Wiz」が開発しました。なお、2026年3月にはGoogleによる買収完了が発表され、注目されています。 今後Google Cloudとの連携強化の方針が示されている一方で、引き続きマルチクラウド環境を支援する方針も示されています。本記事では、Wiz Cloudの基本機能、AIセキュリティ機能、運用面での特徴を整理し、導入時に期待できるポイントを解説します。 [toc] Wiz Cloudとは? Wiz Cloudとは、クラウド環境全体のリスクを一元的に把握しやすくするためのCNAPPです。主な特徴として、エージェントレスでの情報収集、クラウド資産間の関係性を可視化する仕組み、複数のリスク要因を関連付けて優先度を判断する機能などが挙げられます。 ここでは、Wiz Cloudの主要な特徴を4つのポイントで解説します。 1. エージェントレスでクラウド環境を可視化 Wiz Cloudは、監視対象のサーバーやコンテナにエージェントをインストールする方式ではなく、クラウドプロバイダーのAPIを通じて情報を収集するエージェントレス型のアーキテクチャを採用しています。これにより、既存環境への影響を最小限に抑え、短時間でクラウド全体の可視化を実現します。 AWS、Azure、Google Cloud、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)といった主要クラウドに対応しており、VM、コンテナ、サーバーレス、PaaS、データストアなど幅広いリソースを網羅します。なお、基本はエージェントレスですが、リアルタイムな脅威検知と保護を強化するために、必要に応じて「Wiz Runtime Sensor」を配置し、ランタイム環境の防御を固めることも可能です。 参考:It's Official: Wiz Joins Google | Wiz Blog 2. コンプライアンス対応の自動監査 企業のガバナンス維持に欠かせない、各種フレームワークへの準拠状況を自動で監査できる点も大きな特徴です。SOC2、GDPR、PCI DSS、HIPAAなど、業界標準のコンプライアンス基準に基づいたスキャンを継続的に実行します。 手動での棚卸しや監査対応の工数を大幅に削減できるため、常に「現在の準拠状況」をダッシュボードで確認できる運用が実現します。 3. リスクを関連付けて「真の優先順位」を判断 Wiz Cloudは「Security Graph」という仕組みにより、資産・設定・脆弱性・権限・ネットワーク露出などの情報をグラフデータベースで関連付けて管理します。たとえば「インターネットに公開されたリソース」「当該リソースに付与された高権限」「未修正の脆弱性」がそれぞれ個別のアラートとして検出されるだけでなく、それらの関係性を踏まえて「一つのイシュー」として関連付けて表示されるため、優先的に確認すべきリスクを即座に把握できます。 このアプローチにより、運用担当者は膨大な「アラートノイズ」から解放されます。リスクの低いアラートに埋もれることなく、組織が本当に対処すべき「真のリスク」のみを抽出できるため、効率的なセキュリティ運用が可能になります。 4. 攻撃経路(Attack Path)の可視化 Wiz Cloudの「Attack Path Analysis」は、攻撃者がどのような経路で環境内を移動し、重要資産(機密データなど)に到達しうるかを視覚的に分析する機能です。 この機能は、個別の問題を単発の検出結果として見るのではなく、「攻撃者がたどりうる一連の経路」として捉えられるため、重大資産に影響するリスクを理解しやすくなります。どの経路を塞ぐのが最も効果的かを直感的に把握できるため、迅速かつ的確な修復対応を支援します。 Wiz CloudのAIセキュリティ機能 生成AIやAIサービスの利用が広がる中で、AI関連の資産やデータ、設定不備を把握する必要性も高まっています。Wiz Cloudは、クラウドセキュリティの枠組みの中でAI関連リスクを扱う機能群も提供しています。 AI資産や利用状況を把握 Wiz CloudはAI-SPM(AI Security Posture Management)機能を通じて、組織内で利用されているAI関連サービスや構成要素の可視化を支援します。AIモデル、AIサービス、SDK、AIパイプラインを把握する仕組みとして「AI-BOM(AI Bill of Materials)」が案内されています。 これにより、管理部門が把握していないAI利用、いわゆるシャドーAIの発見や、AI関連資産の棚卸しに役立つ可能性があります。 AIに関連する攻撃経路や設定不備を確認 Wiz Cloudは、通常のクラウド資産に対するAttack Path Analysisの考え方を、AI関連の資産にも拡張しています。たとえば、学習データ、AIサービスやAIモデルへの攻撃経路の分析や、設定不備との組み合わせを分析対象に含めることができます。 また、OpenAI、Amazon Bedrock、Azure OpenAIなど一部の主要AIサービスについては、設定ミスやリスクを検出するためのビルトインルールが提供されています。 学習データなどの機密情報を検出 Wiz CloudはDSPM(Data Security Posture Management)機能やDSPM for AIを通じて、AI関連データに含まれる機密情報の発見を支援します。個人情報、決済関連情報、医療情報など、保護対象となるデータを識別し、どの資産に保存され、どのような経路で露出しうるかを確認しやすくします。 AI活用が進む環境では、学習データや推論データの取り扱いが法令対応やガバナンスの観点でも重要になるため、こうした可視化機能は実務上の意味があります。 Wiz Cloudでセキュリティ運用を効率化するポイント Wiz Cloudは検出機能だけでなく、組織内の役割分担や既存ツールとの連携を通じて、運用に組み込みやすい構成を備えています。 チーム単位で管理しやすい 大規模なクラウド環境では、開発、インフラ、セキュリティなど複数チームが同じ基盤を扱います。Wiz Cloudの「Projects」機能は、こうした環境を論理的に分割し、チームや責任範囲ごとに対象を見やすくするために利用されます。 加えて、RBAC(ロールベースアクセス制御)やカスタムロール、SSO連携により、利用者ごとに必要な権限だけを付与しやすく、運用統制にもつなげやすい設計です。 修復対応を支援する機能がある Wiz Cloudは、リスクの検出だけでなく、対応の優先順位付けや修復支援にも力を入れています。Google Cloud Next’26の基調講演では「Wiz Agents」やAI支援機能により、検出内容の調査、優先付け、対応支援を行う方向性が示されています。 また、WizOSのように、脆弱性リスクを抑えたセキュアなコンテナイメージを提供する仕組みもあり、開発の早い段階から安全性を意識した運用を取り入れやすくしています。 JiraやSlackなど既存ツールと連携できる Wiz Cloudは、Jira、Slack、ServiceNow、PagerDuty、Torqなど、多数の外部ツールとの連携を提供しています。公開情報では、200を超える連携に対応していると案内されています。 たとえば、Jira連携では検出内容をチケット化して対応管理に載せやすくなり、Slack連携では通知や情報共有を迅速に行いやすくなります。これにより、セキュリティチームだけでなく、開発・運用チームを含めた横断的な対応フローを構築しやすくなります。 Wiz Cloud導入で期待できるメリット Wiz Cloudの特徴を踏まえると、導入時の評価ポイントは、単にリスクを検出できるかどうかにとどまりません。エージェントレスで導入しやすい構成、複数のリスクを関連付けて把握しやすい点、マルチクラウド環境への対応、AI関連リスクの可視化機能、既存ツールとの連携性などが主な検討ポイントとして挙げられます。ここでは、公開情報から確認できる特徴をもとに整理します。 1.導入負荷を抑えやすい構成 Wiz Cloudはエージェントレス型のアーキテクチャを採用しているため、各サーバーやコンテナ、ワークロードごとにエージェントを配布・更新・保守する運用が不要です。これにより、新しい製品を導入する際に発生しがちな初期設定の手間や、運用開始後のメンテナンス負荷を比較的抑えやすくなります。 特に、クラウド環境がすでに大規模化している組織では、各チームが利用する環境に追加ソフトウェアを導入すること自体が調整コストになりやすい傾向があります。その点、APIベースで接続するWiz Cloudは、既存環境への影響を抑えながら可視化を始めやすく、導入検討から実運用への移行を進めやすい点がメリットです。 2.リスクの優先順位を判断しやすい クラウド環境では、設定不備、脆弱性、過剰権限、公開設定、機密データの露出など、多数のアラートが日常的に発生します。課題は、検出件数そのものよりも、その中から「どれを先に対応すべきか」を判断することです。 Wiz Cloudは、Security GraphやAttack Path Analysisを通じて、個別の問題を孤立したアラートとして扱うのではなく、資産同士の関係性や攻撃到達性を踏まえて評価しやすくしています。これにより、数としては少なくても影響の大きいリスクや、複数条件が重なることで重大化するリスクを優先的に確認しやすくなります。結果として、セキュリティチームが限られた時間や人員を、より重要な対応に振り向けやすくなる点は大きな利点です。 3.マルチクラウド環境を横断的に把握しやすい 多くの企業では、単一クラウドではなく、AWS、Azure、Google Cloud、OCIなど複数のクラウドサービスを用途ごとに使い分けています。その場合、クラウドごとに別々の管理画面やツールでセキュリティ状況を確認していると、情報が分散し、全体像を把握しにくくなります。 Wiz Cloudは、こうしたマルチクラウド環境を一元的に可視化しやすい点がメリットです。環境ごとの差異はあるものの、共通した観点でリスクを見られるようになることで、運用の標準化や、組織全体でのセキュリティポリシーの適用状況の確認がしやすくなります。クラウドごとに担当部門や利用目的が異なる組織にとっては、横断的な統制をとるための土台として有効です。 4.AI関連リスクを可視化しやすい 近年は、生成AIやAI開発基盤の導入が急速に進む一方で、組織として十分に把握できていないAI関連サービスやSDKの利用、学習データへの機密情報混入、AIサービスの設定不備など、従来のクラウドセキュリティだけでは把握しにくいリスクも増えています。 Wiz Cloudは、AI-SPMやDSPM for AIといった機能を通じて、AI関連資産の可視化や、AIに関わるデータ保護を支援する構成をとっています。これにより、AI導入を進める組織でも、クラウド基盤のセキュリティとAI利用の管理を分断せずに見やすくなります。特に、AI活用が先行してガバナンスが追いついていない企業にとっては、現状把握の起点を作りやすい点が実務上のメリットといえます。 5.既存の運用フローと連携しやすい セキュリティ製品は、単独で優れていても、現場の業務フローと分断されていると活用が進みにくくなります。検出結果を見ても、別途チケット起票し、担当者に連絡し、進捗を追いかける流れが煩雑であれば、対応は後回しになりがちです。 Wiz Cloudは、Jira、Slack、ServiceNowなどの既存ツールと連携することで、検出から通知、修復依頼、進捗管理までを既存の業務プロセスに載せやすくしています。これにより、セキュリティチームだけでなく、開発チームや運用チームも、普段使っているツール上で必要な情報を受け取りやすくなります。結果として、セキュリティ対応を一部門だけの仕事にせず、組織横断で継続的に回しやすくなる点が導入メリットの一つです。 6.セキュリティと開発のバランスを取りやすい クラウド利用が進んだ組織では、セキュリティ対策が開発スピードを落とす要因として受け止められることがあります。一方で、開発優先で進めた結果、後からリスクが顕在化して大きな手戻りが発生するケースも少なくありません。 Wiz Cloudのように、リスクを可視化し、優先順位を整理し、既存ワークフローに乗せて修復までつなげやすい仕組みがあると、セキュリティ確認をより実務的な形で開発プロセスに組み込みやすくなります。すべての問題を一律に止めるのではなく、影響度の高いものから順に対処していく判断がしやすくなるため、開発スピードと統制のバランスを取りやすくなる点も、導入時に期待できる効果です。 まとめ Wiz Cloudは、エージェントレスでクラウド環境を把握し、Security GraphやAttack Path Analysisを通じてリスクを関連付けて評価できるCNAPPです。さらに、AI-SPMやDSPM for AIといった機能により、AI利用が広がる環境にも対応範囲を広げています。 2026年3月にはGoogleによる買収完了が発表されましたが、買収後もマルチクラウド対応を維持する方針が示されています。今後はGoogle Cloudとの連携強化が進む可能性がある一方で、具体的な統合の範囲や時期については、今後の公式発表を確認していく必要があります。 クラウドとAIの利用が拡大する中で、Wiz Cloudはクラウド資産、権限、脆弱性、データ、AI関連資産を横断的に可視化したい組織にとって、検討対象になりうるプラットフォームの一つです。 また、クラウドエースでは「Wiz Cloud」の導入や活用をPoV、導入、運用までワンストップで支援しています。ご興味のある方はクラウドセキュリティ導入・運用支援(Wiz ウィズ)のページをご覧ください。 詳細情報:Wiz公式サイト (wiz.io) ※この記事は2026年4月時点の情報に基づいています。 「アラートノイズ」からの脱却。Wizで実現するセキュリティの民主化。〈クラウドセキュリティ〉Wiz Cloud ご紹介資料強力な可視化機能を持つWizですが、真の価値は「運用の定着」にあります。本資料では、大量のアラート対応から現場を解放し、開発チームが自走できる環境(セキュリティの民主化)をどう実現するのか、直感的なUI画面やクラウドエースの手厚い伴走支援メニューとともに詳しく解説します。資料ダウンロードはこちらから 井上 聖奈 クラウドセキュリティコンサルタント。Google Cloudのアプリ・インフラ開発の全工程を経験。現在はAI駆動のセキュア開発によりスピードと統制を両立する体制構築を牽引。リスク可視化やルール策定を通じた改善に加え、社内勉強会主催による組織のリテラシー向上にも貢献している。

2026.05.20

社員の”隠れAI利用”、把握できていますか?シャドーAI対策とGemini / NotebookLM法人導入ガイド
  • Google Cloud

社員の”隠れAI利用”、把握できていますか?シャドーAI対策とGemini / NotebookLM法人導入ガイド

「最近、社内でChatGPTやGeminiを使っている人が増えた気がする。でも、誰が何を入力しているかは把握できていない。」 日々の業務の中で、このような漠然とした不安を感じたことはないでしょうか。このように、会社が把握・管理していない状態のまま、従業員が独自の判断で業務に生成AIを利用している状態を「シャドーAI」と呼びます。そして今、このシャドーAIは企業にとって無視できない課題の一つとして認識されつつあります。 実際、弊社にも「社員が個人アカウントで生成AIを使っているようだが、実態が把握できない」「利用を禁止したが、隠れて使われている気がする」といったご相談が増加傾向にあります。シャドーAIの問題は、一部の企業に限らずさまざまな組織で関心が高まりつつあり、対応を検討する必要のあるリスクの一つとされています。 「うちの会社ではAIの業務利用を許可していないから大丈夫」と考えているとしたら、それは見えないリスクを抱えている状態かもしれません。本記事では、多くの企業から実際に寄せられている"生成AIにまつわる悩み"を紐解きながら、シャドーAI対策の実践的な進め方を解説します。 [toc] 弊社に寄せられる相談から見える、生成AI活用の課題 弊社には日々、生成AI法人導入に関する多数のご相談が寄せられています。ここでは、多くの読者が「あ、これうちの話だ」と感じるであろう、現場のリアルな悩みをご紹介します。 悩み①「社員が個人アカウントのNotebookLMに社内資料を読み込ませている」 比較的多く見られるのがこのケースです。「会議の議事録まとめに便利だから」「大量のPDF資料から目的の記述を探し出せるから」といった理由で、従業員が個人のGoogleアカウントを使ってNotebookLMやAIツールを利用するケースがあります。 この場合、社外秘のドキュメントが会社の管理外となるクラウド環境にアップロードされる可能性があります。個人向けの生成AIサービスでは、入力データややり取りの一部がサービス改善や機械学習の開発に利用される場合があります(設定やサービスによる)。 そのため、企業の管理外で機密情報を取り扱う際には慎重な判断が求められます。一方で、エンタープライズ版ではデータの取り扱いに関する制約が明確に定められており、用途に応じた使い分けが重要です。 悩み②「生成AIを"禁止"にしたら、現場から不満が多く寄せられた」 リスクを考慮し、生成AIの利用を制限または禁止する企業もあります。しかし一律の制限によって、業務効率への影響を懸念する声が現場から上がるケースも見られます。特に、文書作成や情報整理などの業務でAIを活用していた場合、従来の手作業に戻ることで作業時間の増加や負担感につながる可能性があります。 また、会社のPCからのアクセスを制限した場合でも、従業員が個人のスマートフォンや私物PCなどを利用してツールを使うケースも指摘されています。その結果、利用実態の把握が難しくなり、管理が行き届かない状態が生じる可能性があります。そのため、単純な禁止ではなく、ガバナンスと利便性を両立した運用設計が重要になります。 悩み③「法人契約したいが、クレジットカードが使えない」 生成AIを安全に活用するために法人向けプランの導入を検討しても、支払い方法の制約が障壁となるケースがあります。特に大学や大企業、官公庁などでは、社内規定によりクレジットカード決済が制限されている場合があります。 一方で、多くの生成AIサービスはオンラインでの即時契約を前提としており、クレジットカード払いが基本となっているケースも少なくありません。その結果、「請求書払いでなければ契約できない」といった社内手続きとの不整合が生じ、稟議や承認プロセスに時間がかかる要因となることがあります。こうした実務上の制約が、導入検討の停滞につながるケースも見られます。 悩み④「既存ベンダーに相談しても、生成AI領域の知見が十分でなく話が進まない」 既存のITベンダーに生成AIの導入について相談したものの、期待した支援が得られないケースも見られます。生成AIを業務で安全に活用するためには、ツール単体の導入だけでなく、既存システムとの連携やセキュリティ設計を含めた全体的なアーキテクチャ設計が求められます。 例えば、SAML/SSOによる認証統合や、VPC Service Controlsを活用したデータアクセス制御など、クラウドセキュリティに関する専門知識が必要になる場面もあります。そのため、対応可能なスキルや体制が十分でない場合、検討が長期化したり、導入プロジェクトが円滑に進まないといった課題につながることがあります。 シャドーAI対策の正解は"禁止"ではなく"安全な環境の提供" 前述の悩みからも分かる通り、シャドーAI対策として「利用を禁止する」だけでは、必ずしも十分な対策とは言えません。その理由として、いくつかの課題が指摘されています。 業務効率に影響が出る可能性があり、AIを活用する企業との間で生産性の差が生じる懸念がある 個人のデバイスなどを通じてツールが利用されるケースがあり、結果として利用実態の把握が難しくなる可能性がある AIツールの利用制限に対して、現場から負担感や不満の声が上がるケースもある 従業員の「業務を効率化したい」というニーズに対して、単に利用を制限するのではなく、会社として「安全に使える公式ツール」を用意し、適切なルールのもとで提供することが重要です。 その「安全に使える公式ツール」の有力な選択肢が、Google Cloudが提供するエンタープライズ向けの生成AIサービス、Gemini EnterpriseやNotebookLM Enterpriseです。 法人導入で「つまずく」4つのポイントと解決策 いざ法人向けの生成AIを導入しようとしても、実務においては様々なハードルが存在します。ここでは、法人導入において企業が「つまずくポイント」と、それを乗り越えるための具体的な「解決策」をセットで解説します。 ①データは本当に学習されないのか? → Gemini Enterprise / NotebookLM Enterpriseなら安心 【つまずきポイント】 「法人契約したとしても、本当にうちの機密データがAIの学習に使われないのか不安だ」という声は根強くあります。 【解決策】 個人向けの無料版AIと、法人向けのエンタープライズ版(Gemini EnterpriseやNotebookLM Enterprise)の決定的な違いは、データの取り扱いに関する公式なコミットメントにあります。 Gemini Enterpriseの場合: Gemini Enterpriseの公式FAQにおいて、「プロンプト、出力、およびその過程で発生するデータが、Googleのモデルや他のお客様のモデルのトレーニングに使用されることはない」と明記されています。また、データの所有権はあくまでお客様に帰属し、Googleが広告に利用したり第三者に販売したりすることもありません。 NotebookLM Enterprise(Google Workspaceユーザー)の場合: ヘルプページにおいて、Google Workspaceユーザーがアップロードしたデータやクエリは、AIモデルのトレーニングに使用されないことが明記されています。さらに、Workspaceユーザーの場合は、フィードバックを送信した際でも「人間のレビュー担当者による確認」が行われないという、より厳格な保護措置がとられています。 これにより、社外秘の企画書や財務データであっても、情報漏洩や意図しない学習のリスクを抑えながらAIを活用することが可能になります。また、NotebookLM Enterpriseは既存のGoogle Workspace契約がない組織でも単独導入でき、導入したその日から安全な環境で業務を開始できます。 ②誰が何を使っているか可視化したい → SSO / SAML連携でガバナンスを確立 【つまずきポイント】 「社員がそれぞれ勝手にアカウントを作ってしまっては、結局誰がAIを使っているのか管理部門で把握できない」というガバナンスの課題です。 【解決策】 この課題は、SSO(シングルサインオン)やSAML連携といった認証技術で解決します。Microsoft Entra IDやGoogle Workspaceといった既存のID基盤と連携させることで、従業員は社内アカウントでAIにログインする運用に統合できます。 こうした構成を整えることで、管理者はGeminiの利用状況を管理コンソールのレポート(組織でのGemini使用状況確認)から、NotebookLM EnterpriseについてはGoogle Cloudのログ機能(NotebookLM Enterprise監査ログの設定)から、それぞれ「誰が・いつ・どのサービス」を利用しているか正確に把握できます。 さらに、Gemini Enterprise等のライセンスを活用すれば、Google Vault(電子情報開示ツール)を通じてユーザーのやり取り内容を保持・検索・エクスポート可能です(Vaultを使用してGeminiアプリを検索する)。日常的にすべてを監視するのではなく、「有事の際に、いつ・誰が・どのような入出力を行ったかを遡って調査できる体制」を構築できる点が、企業にとっての大きなメリットです。 また、退職時には社内IDを無効化するだけで即座にアクセス権を剥奪できるため、個人アカウント利用時に懸念される「退職後の情報持ち出し」リスク低減につながります。 ③機密データの外部流出を確実に防ぎたい → VPC Service Controlsによるデータ境界 【つまずきポイント】 金融機関や医療機関、あるいは厳格な情報管理が求められる大企業では、「社内ネットワークの外からは絶対にアクセスさせたくない」「データが外部ストレージにコピーされるのを防ぎたい」という強固なネットワーク要件が求められます。 【解決策】 ここで活躍するのがGoogle Cloudの「VPC Service Controls」という高度なセキュリティ機能です。これは例えるなら、クラウド上に「目に見えないデジタルの無菌室(データ境界)」を作るような仕組みです。この見えない壁の中(会社が許可したネットワークや特定の端末)からしかAIサービスにアクセスできなくし、かつ、AIが処理したデータへのアクセスを、許可されたネットワークやリソースの範囲内に制限することで、意図しないデータ持ち出しや外部アクセスのリスクを低減することができます。 ④クレジットカード決済ができない → リセラー経由の請求書払い 【つまずきポイント】 「悩み③」でも挙げた通り、大学や大企業ではクレジットカード決済ができず、システムは完璧でも「支払い」で導入が頓挫するケースです。 【解決策】 この実務上の壁は、Google Cloud の公式パートナー(リセラー)を経由して契約することで解決します。クラウドエースのようなパートナーを通すことで、日本の商習慣に合わせた「請求書払い(銀行振込)」での契約が可能になります。それだけでなく、複数部門でバラバラに行われていた契約や請求を一つに一本化したり、自社の利用状況に合わせた最適なライセンス体系の提案を受けたりと、管理の手間とコストを大幅に最適化することができます。 ここまで読んで「うちの状況に近い」「自社でもシャドーAIが起きているかもしれない」と感じた方は、まずは現状の整理からお手伝いします。お気軽にご相談ください。クラウドエースへのお問い合わせはこちらから 「守り」の先にある「攻め」のAI活用 ここまでのシャドーAI対策は、企業における「守り」の施策です。しかし、安全な基盤が整って初めて、企業は社内のあらゆるデータを価値に変える「攻め」のAIデータ活用へと踏み出すことができます。 RAG(検索拡張生成)による社内ナレッジのフル活用 業務で本当に必要なのは、「一般的な正解」ではなく「自社独自のナレッジ」です。安全な環境が確保できたら、次はRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)という技術の出番です。 Google CloudのVertex AIを活用して高度なRAG環境を構築すれば、Googleドライブ内に眠っている過去の提案資料、ベテラン社員の施工ノウハウ、テキスト化・構造化された設計資料や図面データ、さらには名刺情報やメールの履歴までを横断的に検索し、AIが的確に要約して答えてくれる「超優秀な社内アシスタント」を作ることができます。 エンタープライズサーチがもたらす変革 「あの資料、どこにあったっけ…」とファイルサーバーを探し回る時間は、企業にとって大きな損失です。セキュアなAI基盤の上で「エンタープライズサーチ(企業内検索)」を実現すれば、従業員はチャット画面から質問するだけで、必要な社内データに瞬時にアクセスできるようになります。安全な基盤があるからこそ、データ活用という次のステージに安心して進むことができるのです。 より深く知りたい方への関連記事 Google Cloud で実現する AI 駆動型ワークスタイル!NotebookLM Enterprise でセキュリティとガバナンスも強化! エンタープライズサーチとは?企業内検索で業務効率を最大化する導入効果 ゼロトラストはブラウザから!「Chrome Enterprise Premium」で実現する、新しい働き方のセキュリティ まとめ:正しく使える環境の整備から始めよう 本記事の重要なポイントを3つにまとめます。 社員の悩みとシャドーAIリスク: 「便利だから」「クレジットカードがないから」といった理由で管理外のAI利用が広がり、情報漏洩やコンプライアンス違反につながるリスクがあります。 「禁止」ではなく「公式環境」を: AI利用を禁じるだけでは生産性の低下や問題の地下潜伏を招きます。シャドーAI対策の正解は、データが学習されない安全な公式ツールを用意することです。 法人導入の実務課題を乗り越える: Gemini EnterpriseやNotebookLM Enterpriseの導入、SAML連携、VPC Service Controlsによる防御、そしてリセラー経由での請求書払いを組み合わせることで、強固なガバナンスと利便性を両立できます。 シャドーAI対策は、単純に「禁止」のルールを作ることではなく、従業員が「正しく・安全に使える環境の整備」から始まります。放置すればするほどリスクは膨らんでいきますので、まずは自社の環境見直しからスタートしてみてはいかがでしょうか。 クラウドエースは、Google CloudのDiamondパートナー(ServiceおよびCo-sell部門)として、セキュアな生成AI基盤の構築から「攻め」のデータ活用まで一気通貫でご支援しています。ガバナンスの確立と業務効率化の両立にお悩みなら、まずはお気軽にご相談ください。クラウドエースへのお問い合わせはこちらから

2026.04.30

記事一覧

  • AI駆動開発
  • IT・トレンド
  • Google Cloud 入門
  • tech系
  • クラウド導入お役立ち
  • Google Workspace
  • AI・機械学習
  • Cmosy 連載企画
  • Google Cloud の性能
  • Google Cloud
  • クラウドコンピューティング基礎知識
  • クラウドエース
  • その他
【速報まとめ】Google Cloud Next ’26 Las Vegas 基調講演 Day 2
  • Google Cloud

【速報まとめ】Google Cloud Next ’26 Las Vegas 基調講演 Day 2

2026.04.24

BigQuery × MCPで自然言語データ分析を実現する方法
  • Google Cloud

BigQuery × MCPで自然言語データ分析を実現する方法

2026.04.23

インフラ運用を少人数で担うSaaS企業の皆様へ。開発を止めない体制をつくる3つの打ち手
  • Google Cloud

インフラ運用を少人数で担うSaaS企業の皆様へ。開発を止めない体制をつくる3つの打ち手

2026.04.23

【速報まとめ】Google Cloud Next ’26 Las Vegas 基調講演 Day 1
  • Google Cloud

【速報まとめ】Google Cloud Next ’26 Las Vegas 基調講演 Day 1

2026.04.23

AI駆動開発のコードレビューは「コードを読む前」で決まる
  • AI駆動開発
  • AI・機械学習

AI駆動開発のコードレビューは「コードを読む前」で決まる

2026.04.20

Agent Development Kit(ADK)とは?複雑なAIエージェントをシンプルに作るGoogleの新フレームワーク
  • AI・機械学習
  • Google Cloud

Agent Development Kit(ADK)とは?複雑なAIエージェントをシンプルに作るGoogleの新フレームワーク

2026.04.02

仕様駆動開発(SDD)とは?AI駆動開発における基本概念と実践ツールを解説
  • AI駆動開発
  • AI・機械学習

仕様駆動開発(SDD)とは?AI駆動開発における基本概念と実践ツールを解説

2026.03.27

AIマルチエージェントとは?仕組み・ユースケース・導入ポイントを解説
  • AI・機械学習

AIマルチエージェントとは?仕組み・ユースケース・導入ポイントを解説

2026.03.23

RAGとは?その仕組みと構築方法を徹底解説!Vertex AI Searchを使った例も紹介
  • AI・機械学習
  • Google Cloud

RAGとは?その仕組みと構築方法を徹底解説!Vertex AI Searchを使った例も紹介

2026.03.12

AIセキュリティとは? 企業が備えるべきリスクと対策の要点
  • AI・機械学習

AIセキュリティとは? 企業が備えるべきリスクと対策の要点

2026.02.27

バイブコーディングと仕様駆動開発(SDD)の違いとは?AI駆動開発を成功させる「探索と収束」の統合プロセス
  • AI駆動開発
  • AI・機械学習

バイブコーディングと仕様駆動開発(SDD)の違いとは?AI駆動開発を成功させる「探索と収束」の統合プロセス

2026.02.27

クラウドエース 生成AI駆動ハッカソン&ユーザー会(2025)レポート
  • クラウドエース

クラウドエース 生成AI駆動ハッカソン&ユーザー会(2025)レポート

2026.02.27

12345...102030...NEXT >

導入実績1,000社以上。
ぜひお気軽にご相談ください。

クラウド活用に役立つ資料を無料でダウンロードいただけます。

クラウド活用に役立つ資料を無料でダウンロードいただけます。

お役立ち資料
経験豊富な弊社スタッフが、クラウドに関するお悩みを解決いたします。

経験豊富な弊社スタッフが、クラウドに関するお悩みを解決いたします。

お問い合わせ
↑
Cloud Ace (クラウドエース)

Google Cloudの導入から活用まで
ワンストップでお客様を支援します

  • X
  • YouTube
  • Zenn

  • トップ
  • クラウドエースの特長
  • AI駆動のビジネス変革
  • Google Cloudとは
  • 受賞歴・認定歴
  • 書籍
  • メンバー
  • 導入事例
  • 業界別ソリューション
  • サービス
  • コンサルティング

    • Google Cloudコンサルティング
    • Google Cloud活用診断サービス
      (Cloud Doctor)
  • Google Cloud

    • Google Cloud支払代行
      カスタマーサービス
    • Google Cloudへの移行支援
    • プリペイド定額ライセンスプラン
      (文教・研究機関向け)
    • Google Cloudシステム監視 +
      運用支援
    • Google Workspace導入支援
    • Google Maps Platform導入支援
    • 地域情報可視化マップ構築支援
      — Machishiru —
  • システム開発

    • インフラストラクチャ構築支援
    • アプリケーション開発
    • PoC(概念実証)支援
  • データ分析

    • データ分析基盤構築支援 /
      BigQuery ML(機械学習)活用支援
    • SAP分析基盤パッケージ
    • Looker導入支援
    • ETLツール構築支援
      (TROCCO トロッコ)
  • セキュリティ

    • サイバーセキュリティソリューション
    • セキュリティアセスメント for AI Agent
    • Chrome Enterprise Premium
      導入支援
    • ネットワーク設計・構築支援/
      Wafcharm導入支援
    • クラウドセキュリティ導入・運用支援
      (Wiz ウィズ)
  • 生成AI

    • 生成AI活用支援
    • Gemini Enterprise導入・活用支援
    • AIエージェント開発
    • Floyo AI導入・運用支援
    • 買い切り型生成AIチャットボットキット
      RAG Accelerator Kit(RAK)
    • GenAI Ops / Langfuse導入支援
    • MCPサーバー開発支援
    • Agent Enterprise
    • COGMA
  • Google Cloud認定トレーニング

  • 会社情報
  • セミナー
  • コラム
  • ニュース
  • お役立ち資料
  • お問い合わせ
  • 採用情報
  • 利用規約
  • プライバシーポリシー
  • プレスキット
  • 商標・登録商標
  • グローバルサイト

Copyright © Cloud Ace All Rights Reserved.