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Cloud OnAir 第5回 ~ Google Cloud の G Suite で働き方改革が簡単にできる ~ 速報まとめ

こちらの記事は弊社技術ブログに掲載していた内容となります。一部を除き、投稿当時の情報となりますので、紹介内容の最新情報については別途公式情報等をご参照下さい。

こんにちは。クラウドエース編集部です。

2017年10月5日より、隔週木曜 18:00~18:45にGoogle社のエンジニアがGoogle Cloud Platformの製品、サービスや導入事例等を解説する番組が始まりました。動画を見逃した方、見る時間が無い方向けにどのようなことを配信したのかについてクィックに紹介したいと思います。
第5回目のCloudOnAirはGSuiteによる働き方改革についてです!本日の講師はグーグルクラウドジャパン合同会社カスタマーエンジニアの深掘まど佳さんです。GSuiteは有名ですが、GSuiteによる働き方改革の内容や、GSuiteとGCPとの関係がピンとこない方も多いと思います。今回のOnAirでは、そういった話題について説明されています。

※編集部コメント:今回の放送は深堀さんのマイクが不調のため、コメントが聞き取りづらくなっています。視聴される際はご注意下さい。
※12/7編集部コメント:新しく再収録した内容が視聴可能です。当記事の最後にリンクを掲載しておりますので、是非ご視聴下さい!

Googleの働き方改革の取り組みについて

一般的な企業における働き方について、2017年2月にGoogleで調査したところ、以下のような状況になっていることがわかりました

  • 働き方改革は、世間で言われているほど推進されていない →81.4%
  • 働き方を変えたいが、具体的な方法がわからない →68.7%

そうした中、Googleは、GSuiteのビジネスとは別に、以下のような取り組みを行っています。

  • Womenwill /japan
    ツールを問わず、どんな働き方ができるかについて様々な企業とワークショップを開いたり、「未来の働き方プロジェクト」として企業とディスカッションし、実証研究した成果をサイトで公開しています。例えば、長時間労働を抑制して定時で帰るためには、といったことを研究しています。
    レポートは「働き方改革 推進ガイド」としてダウンロードできます。
  • テレワークラウンジ@六本木(2017/11/1~30まで実施)
    Google主催でテレワークできるオフィススペースを提供してテレワーク体験して頂いていました。司会の中沢あずささん曰く、Google社内だとごく当たり前の風景だけど、多くの方に関心を持って頂けた事を感じました、というコメントでした。

働き方改革(ワークスタイルイノベーション)を成功のための重要な要素として以下の3つを挙げています。

  • 文化
  • プロセス
  • ツール

ツールとしてテレワークができる環境があっても、会社の制度で「別の場所で作業してはいけない」という規則があり、テレワークできないといったことがあったそうです。また、制度と環境に問題なくても、職場の雰囲気的に使えなかったりすることがあるそうです。Googleではツールの提供はもちろんのこと、こうした文化やプロセスの改革も支援を行っています。例えば、ワークショップを開催したり、Googleでの利用例を紹介しています。

働き方について、Googleが大事にしている考え方があります。「イノベーションは一人の天才から生まれるのではない。イノベーションは多様な人材で構成されるチームの力を最大化してこそ生まれる。」というものです。
Googleにおけるアイディアの生まれ方の例を挙げますと、「限られた空間・人での議論」での進め方、例えば会議室に集まってその場限りの会議ということはやっておらず、「世界中から立場を超えてアイディアをぶつけ合う」、例えば誰かのアイディアをGoogleドキュメントとして作り、そのドキュメントを起点に様々なアイディアを出し合う、といったことで製品化につなげています。

Googleの調査では、一般的な企業における普段の業務時間がどのように使われているかも分析しており、以下のような割合になっていることがわかりました。

  • 業務時間において生産的な業務が占める割合 … 5%
  • 業務時間において定型業務が占める割合 … 95%
    • レイアウト、体裁を整える … 15%
    • フィードバックを集め、統合する … 25%
    • タスクを精査 … 20%
    • リサーチと分析 … 20%
    • 資料配付を含む最終調整 … 15%

生産的な業務の割合を増やすためには、その他の定型業務の時間を短縮していく必要があります。そのためにGoogleでは新しいテクノロジーを研究開発し、GSuiteで提供していくように進めています。

単にテレワークできますといっただけでは働き方改革に繋がらず、もっと仕事の仕方も変えていければ効率よく進められる、ツールや環境が働き方を制約しないように、といったこともGoogleは推進しています。

テクノロジーは業務の効率化だけでなく、自立性とコラボレーションの促進によりイノベーションを生み出すための基盤となります。Googleには業務時間の20%を他の業務に使ってよいルールがありますが、このルールにより生まれたのが「Gmail」であり、現在のGSuiteの基になっています。講師の深堀さん曰く、「GSuite以外にも多くの企業から様々なグループウェアが提供されていますが、GSuiteはそもそもGoogle社内の業務改善・効率化を考えて作っているため、ツールだけでなく考え方等も参考にして欲しい。」と仰っています。

GSuite活用の事例として、株式会社ファミリーマート様の事例を紹介しています。ファミリーマート様に導入を検討頂くにあたって、実際にGoogleに来て頂き、役職・部署を超えたメンバーがワークショップを開催しました。Googleも支援しつつ、忌憚なく意見をぶつけ合う会になりました。
ファミリーマート様でGSuiteによるパイロット運用を行ったところ、以下のような改善が実現できました。

  • アンケート作成・集計 70時間→15時間
    今まではExcelで入力してマージして集計して…といった作業をGoogleフォームによる作業に変更しています。
  • 編集・打合せが不要に 4時間→0時間
    GSuiteの共同編集を活用したところ、ミーティング時間が0になりました。
  • 会議場所への移動時間が不要に 1.5時間/人→0時間
    ハングアウトのビデオ会議に切り替え、会議室が不要になりました。

単にGSuiteを導入しただけは達成することは難しいですが、企業文化やプロセスの改善も合わせて考えていくことで、こうした改善を推進することができます。

GSuiteとは?

改めてGSuiteについて説明しますと、生産性向上のためのプラットフォームであり、全ての機能を100%クラウドで提供しています。100%クラウドサービスのため、WebブラウザがあればデバイスやOSを問わずアクセスできることが特徴です。PCにインストールするグループウェアに比べて、端末のセットアップ作業やソフトウェアのバージョンアップ管理の運用作業がゼロにできます。では、GSuiteでも特に企業向けのサービスについて紹介していきます。

チームドライブ

今年3月からリリースしたサービスです。ドライブはマイドライブを共有することで共同編集することができますが、ファイルが個人に属するため、部署異動や退職時のファイル管理が面倒といった問題がありました。チームドライブを使うことで、既存のファイルサーバのような間隔で組織やグループ毎のフォルダを簡単に作ることができます。個人に属さないため、管理者の作業負担も軽減できます。

ドライブファイルストリーム

PCにインストールするクライアントソフトで、ローカルに保存する感覚でクラウドのドライブを操作するサービスです。Googleドライブは活用したいが既存のOfficeファイルも残したい場合でもファイルの操作はローカルで、ファイルの実体はクラウドに保存する、といった使い方ができます。 通常の同期ツールですと、クラウドとローカルディスクにファイルを複製して同期する動作になりますが、ドライブファイルストリームですと必要なデータだけローカルで扱い、保存は全てクラウド側になるため、ローカルのディスク使用量も非常に少なくて済みます。もちろん、チームドライブにも対応しています。

Google Vault

GmailやドライブといったGSuiteに入っているデータを監査し、例えば外部に送るべきでない社外秘の情報を誰かが間違ってメールしていないか、不適切なやりとりがされていないか、といった調査を行うことが簡単にできます。そのため、企業のコンプライアンスポリシーに沿った管理・運用を効率よくに進めることができます。

AppMaker

AppMakerはアーリーアダプタープログラムとして限定的に提供されているサービスになりますが、深堀さん曰く、来年中には正式リリースできるのではないか、ということです。AppMakerはGSuiteと連携した社内アプリ作成を支援するツールになります。

GSuiteにおける機械学習

前回のOnAirで機械学習モデルがGSuiteにも利用されていることを紹介しましたが、GSuiteでは様々なサービスで機械学習モデルが利用されています。分かりやすい例として、Gmailの迷惑メールフィルタに機械学習モデルを利用していて、迷惑メール受信率は0.1%以下になっています。(Gmailの迷惑メールフィルタは、個人向けにも提供されています。) GSuiteの機械学習のデモは、後半で入っています。

GSuiteの活用シーン&デモ

昨今、企業がよく直面する課題

  • 必要な情報を探すのに時間がかかる
  • 資料作成などのチームでの共同作業を効率化したい
  • 会議が多い・準備など非効率化
  • 本来すべきことに時間が使えていない

GSuiteを使っていないとローカルのファイルを検索したり、ファイルサーバを検索したりしているんじゃないかと思います。
GSuiteを使うと、こういった所の時間を改善したり、実は機械学習なんかも裏では助けてくれる所があったりします。

  1. 企業内情報検索の効率化
    Cloud SearchというGSuite内を統合検索する機能が存在する。
    検索するだけではなく、GSuiteの活動履歴から検索しなくても、必要な情報をリコメンドしてくれます。
    最近使ったファイルや、コメントされたファイル、更にはカレンダーの予定に関連したドキュメントまでリコメンドされます。
  2. チームでの共同作業をよりスマートに
    今までの資料作成業務では様々なフローを踏んで作成されていたが、GSuiteを使った資料作成では、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシート内で共同編集や、資料のレビュー作業も可能になっています。
  3. 会議をもっとシンプルかつ効率的に
    Googleカレンダーの中の機能でも機械学習が入っています。
    複数人での会議の予定を入れると自動的に会議出来そうな時間をリコメンドしてくれる機能があります。業務時間外はもちろんの事、ある時間の会議を断っている人が居るとするならば、その時間を外してリコメンドしてくれます。
    更に、空いている会議室の中でもよく使う会議室、近い会議室だったり、便利な会議室を自動的にリコメンドしてくれます。
    ハングアウトMeetでは、ワンクリックで簡単に会議に参加でき、最近では録画機能なども追加されているので、出れなかった人が後から見返しやすくなっています。
  4. 本来すべきことに集中できる環境を
    Googleスライドを使う事で、資料作成に費やす時間を50%短縮する事が可能です。
    共同作成ができ、機械学習の機能を使う事で自動でセンスのいいスライドを準備してくれます。
    スプレッドシートでも、データ探索という機能を使うだけで色々なグラフを自動的に作ってくれ、追加したいグラフもワンクリックで作成する事が可能になっています。

GSuiteで改善できる例を4つ挙げましたが、その他にも事例として、GSuiteを用いたビジネスへの活用方法がありますので以下URLを是非参照してみてください。
https://gsuite.google.co.jp/intl/ja/use-cases/

GSuite+GCPで働き方の分析

働き方の可視化・分析

働き方改革の成功に欠かせないのは現状把握となっています。
GSuiteとGCPを連携させるとGSuiteのログから分析が出来てしまいます。
分析する事で、ハイパフォーマーとローパフォーマーに分けて、トレーニングをどうしたらいいかなど、具体的に現状を把握する事が重要です。

データから組織や個人の働き方を分析

AppEngineやGSuiteのEnterpriseを使用すれば、GSuiteのログを自動的にBigQueryにインポートできます。
データの例としては、トレーニング受講履歴・営業成績・出退勤情報・位置情報など社内で持っているデータを全てBigQueryに入れて、DataStudioやMLで分析出来るようになっています。

今回はデモの内容で、9:00-18:00以外でメールを使っているユーザーのランキングを出すという事をやっていました。
クエリを書くだけで、こういった事も分析し、DataSutudioで色々なグラフにすることで簡単に可視化する事が可能になっています。
メール以外にも、GSuiteのサービスを誰がどのくらい使っているのか、共同編集をどれくらいやっているのか、アメリカとヨーロッパでの比較なんかも見れたりします。
更に、GCPとGSuiteは認証を共通化出来るので、GCPを使う場合には、GSuiteとGCPの両方を使うことで、より便利になっていきます。

Q&A

Q:GSuiteを使っている企業はMicrosoftOfficeを使っていないのでしょうか?
A:今の既存の資産をそのままの形式で使いながら、保存先をクラウドにするとか、ドライブファイルストリームと使用すれば、編集した際に新しいバージョンで保存される、等便利な所を選択して使用する事が可能です。

Q:Excelのマクロを使っているのですが、GSuiteを使う際には作りなおさないといけないのでしょうか?
A:2つ方法があり、作り直したくない場合は、ドライブファイルストリームを使用して頂いたり、Excel形式のファイルも置けるので、置き場として利用する形であればマクロも問題なく動きます。
作り直す場合は、スプレッドシートにマクロにあたるAppScriptがある。AppScriotに書き直すと、今までのExcelマクロの様なバージョンの概念が存在しないので、マクロの書き直しといったものからも解放されます。

Q:他にGSuiteと連携するGCPサービスはありますか?
A:AppMakerという今後出てくる機能でドライブデータベースっていうのを持っている物があるが、裏でCloudSQLというGCPのデータベースを使う事が出来る。
認証回りは、GCPと一緒なので権限の編集などは簡単に行えます。

Q:GoogleHomeとGSuiteって連携されているのでしょうか?
A:管理画面から設定をすれば、現在Googleカレンダーとの連携が可能なので、今日の予定を聞くと答えてくれます。今後も増えていくと思いますので期待していてください。

まとめ

簡単な所では、GSuiteを使って会議の時間を減らしたり、共同編集を使い資料作成をより効率化、更に裏では機械学習が動いていて、欲しい資料を欲しい時に手に入れたりすることが可能になっています。
GCPと連携すれば、BigQueryを使用しての分析、Machine Learning(機械学習)を使用して独自モデルでの分析まで可能になっていきます。
GSuiteを使用して本来すべきではない作業時間を減らしていき、するべき作業の時間を増やし、GCPと連携して分析していけば、更なる業務効率化をしていけるのではないかと考えます。

最後に

次回のCloud OnAirは12月14日です。テーマは「Google Cloud の事例紹介」です。なんと、スペシャルゲストをお呼びするそうです!興味のある方はOnAirの予約を!
当連載では今後も翌日には速報まとめをご提供しますので、是非ブックマークを!

弊社のグループ会社である吉積情報では、GSuiteの導入支援サービスや、GSuite機能拡張サービスである繋吉やCmosyを提供しております。GSuiteの導入は吉積情報におまかせください!!

参考リンク

動画: https://www.youtube.com/watch?v=UzCKfT6QvM0
スライド: https://www.slideshare.net/GoogleCloudPlatformJP/cloud-onair-05-google-cloud-g-suite

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